常勤(正規雇用)社員と雇用契約を継続したまま、業務委託契約を結ぶことは可能?
現在、雇用契約を結んでいる常勤(正規雇用)社員とその契約を継続しつつ、別の業務で業務委託契約を結びたいという依頼がありました。
上記のような契約(正規雇用と業務委託としての同時契約)を結ぶことは可能なのでしょうか?また、可能である場合のフローも教えてください。
回答
雇用契約を継続しつつ業務委託契約を結ぶことは、それ自体を禁止する規定はないため法的に可能と言えます。あとは会社の就業規則に沿うか、使用者・労働者の双方の意思が合致するか否かが重要です。
以上を踏まえて、主な留意点を述べたいと思います。
【使用者側の留意点】
・両契約(雇用契約・業務委託契約)の内容が重複することを避ける必要があります。業務が重なるにもかかわらず、異なる種類の契約を結ぶ意味はなく、雇用契約の意義が失われる恐れがあるためです(業務委託契約の場合、労働法の保護が及ばない)。
・業務委託契約の内容(業務量)について、労働法の趣旨に沿うよう注意しなければなりません。例えば、休憩時間や休日、有休といった労働者の休養を保障する規定を圧迫する業務量を与えることは趣旨の逸脱になります。
【労働者側の留意点】
・使用者側の箇所で言及したこととの裏返しで、業務委託契約が労働法の保護が及ばないことを考慮して、業務委託契約の内容を精査する必要があります。
・源泉所得税について、雇用契約だけの場合ですと、原則年末調整で手続(収入、源泉所得税額の確定)が完了しますが、業務委託契約を結んだ場合は確定申告が必要になります。会社に対して支払調書の発行をお願いした方がよいでしょう。
ただし、留意点に限らず両者の合致があっても、両契約の業務を(時間的、業務的に)峻別することができるのか、重なる部分がある場合どのように扱うか、等を考えると雇用契約と業務委託契約を同時に結ぶことはリスクが高いかと思います。
なので、委託業務契約を継続という形ではなく、ある仕事の完成、業務の遂行など、一時的な際に使用するのであれば、リスクは継続時よりも回避でき、また以下のメリットが考えられます。
・雇用契約の業務内容を変更せずに、一時的にある業務を依頼することができる。
・業務委託契約では、雇用契約とは別に支払額が設定できるため、社員のインセンティブが高まり、それが会社の業績向上に繫がる場合もある。
以上を踏まえ、法的には可能であるが、雇用契約とは別に業務委託契約を締結するか否かを判断して頂ければと思います。
以上を踏まえて、主な留意点を述べたいと思います。
【使用者側の留意点】
・両契約(雇用契約・業務委託契約)の内容が重複することを避ける必要があります。業務が重なるにもかかわらず、異なる種類の契約を結ぶ意味はなく、雇用契約の意義が失われる恐れがあるためです(業務委託契約の場合、労働法の保護が及ばない)。
・業務委託契約の内容(業務量)について、労働法の趣旨に沿うよう注意しなければなりません。例えば、休憩時間や休日、有休といった労働者の休養を保障する規定を圧迫する業務量を与えることは趣旨の逸脱になります。
【労働者側の留意点】
・使用者側の箇所で言及したこととの裏返しで、業務委託契約が労働法の保護が及ばないことを考慮して、業務委託契約の内容を精査する必要があります。
・源泉所得税について、雇用契約だけの場合ですと、原則年末調整で手続(収入、源泉所得税額の確定)が完了しますが、業務委託契約を結んだ場合は確定申告が必要になります。会社に対して支払調書の発行をお願いした方がよいでしょう。
ただし、留意点に限らず両者の合致があっても、両契約の業務を(時間的、業務的に)峻別することができるのか、重なる部分がある場合どのように扱うか、等を考えると雇用契約と業務委託契約を同時に結ぶことはリスクが高いかと思います。
なので、委託業務契約を継続という形ではなく、ある仕事の完成、業務の遂行など、一時的な際に使用するのであれば、リスクは継続時よりも回避でき、また以下のメリットが考えられます。
・雇用契約の業務内容を変更せずに、一時的にある業務を依頼することができる。
・業務委託契約では、雇用契約とは別に支払額が設定できるため、社員のインセンティブが高まり、それが会社の業績向上に繫がる場合もある。
以上を踏まえ、法的には可能であるが、雇用契約とは別に業務委託契約を締結するか否かを判断して頂ければと思います。
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