定年退職日の日付と、再雇用の際の手続きに関して

当社では、定年について就業規則にて次のように定めています。
「従業員の定年は満60歳とし、定年に達した日の翌日をもって自然退職とする。」

来年60歳を迎える社員がおり、本人から退職日の取り扱いについて質問がありましたが、
就業規則の内容から判断すると、退職日はいつになるでしょうか?
満60歳に達した日とは、いつが該当しますでしょうか。

また、本人の希望で退職後1年間、嘱託社員として再雇用することが決まっていますが、
手続きで注意すべき点はありますでしょうか。

回答

1.満60歳に達する日について
年齢の計算については、【年齢計算ニ関スル法律】と【民法】に定められています。 
※【民法】第143条第2項参照

年齢は生まれた日(誕生日)を1日目(起算日)として数えます。
従って、貴社の就業規則に記載されている「従業員の定年は満60歳とし」とは、
この応答日(誕生日)の前日で満了することになりますので、「定年に達した日」というのは誕生日の前日となります。
〔例〕3月10日が誕生日の場合、3月9日が満60歳になった日となります。
   3月10日は、満60歳と1日ということになります。
従って貴社就業規則における定年退職日は、60歳の誕生日の当日ということになります。

2.定年再雇用時の手続きについて
・社会保険の同日得喪手続き
 定年退職後1日も空かずに継続して再雇用される場合に、喪失と取得を同時に提出することで、
再雇用された後の給与に応じた標準報酬月額に決定することができます。
 なお、貴社のように満60歳を定年とし、定年に達した日の翌日を退職日と定めている場合、
月中で同日得喪が発生することとなります。
 仮に同日得喪が月中で発生する退職月に賞与の支給があった場合には、
 同日得喪前に支給された賞与には社会保険料がかからず、
 同日得喪後に支給された賞与には社会保険料がかかりますのでご注意ください。

・高年齢雇用継続給付金
 雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、
原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。
 なお、65歳までの雇用継続制度について現状設けられている経過措置が2024年度で終了するため、
2025年度より給付率が半減され、段階的に廃止される方針となっていますので、
今後の定年再雇用後の賃金設定について、同一労働同一賃金の観点からも再検討が必要となるでしょう。
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