人材開発支援助成金を申請する予定ですが質問があります

労働局へ提出済の「職業訓練実施計画届」の通りに訓練を実施しますが、その訓練時間が従業員の通常の所定労働時間(労働条件通知書に記載されている始業・終業時刻)と異なります。この場合、賃金助成の対象とするために追加で提出すべき書類はありますか?

回答

訓練時間が通常の所定労働時間に対して「どのように異なるか」によって対応が変わります。

① 訓練時間が通常の所定労働時間の「範囲内」に完全に収まっている場合
(例:通常9:00~18:00勤務の従業員が、10:00~17:00で訓練を受講する)
追加で提出する特別な書類はありません。通常の手続き通り、支給申請時に出勤簿や賃金台帳等を提出すれば、実施した訓練時間分は賃金助成の対象となります。

② 訓練の時間帯が通常の所定労働時間と「ズレる(シフトする)」場合
(例:通常9:00~17:00勤務の従業員が、10:00~18:00で訓練を受講する)
原則として、通常の所定労働時間外に行われた訓練(上記例の17:00~18:00の部分)は賃金助成の対象外となり、その時間は算定から除外されます。
ただし、訓練開始前に所定労働時間を変更し、その事実を従業員に書面で明示していた場合は、変更後の時間を所定労働時間とみなし、助成対象時間を算定することが可能です。この場合、支給申請時に以下の書類を提出します。

1・就業規則または労働契約書等の写し:業務上の必要がある場合に始業・終業時刻を変更できる旨の根拠規定が記載されていること。
2・労働条件通知書などの写し:訓練開始前に「訓練の期間中(△月△日~△月△日)は就業時間を○時~○時に変更する」などと具体的に記載し、受講者に明示・周知していることが確認できるもの。

※「業務の都合により始業・終業時間を変更する場合がある」といった包括的な記載があるだけでは変更の事実が確認できないため認められず、通常の所定労働時間の範囲内のみしか助成対象になりません。
※ 就業規則に変更条項があること(書類1)と、個別の従業員に対して実際に変更を通知
したこと(書類2)は別の要件です。両方が揃って初めて認められます。


【※ 実務上の重要注意点(助成対象外となるケース)】
事前に上記②の手続きを行って所定労働時間を変更しても、以下のケースに該当する場合は賃金助成の対象外となりますのでご注意ください。

・残業(所定労働時間外)になる部分
時間帯をズラすだけでなく、変更後の所定労働時間を超える訓練となった場合、超過部分は所定労働時間外に行われた訓練として扱われ、賃金助成の対象外となります。割増賃金を適正に支払っていても同様です。

・休日の受講
休日に実施した訓練は対象外です。事後的に「代休」を付与した場合も認められません。ただし、就業規則等に基づきあらかじめ「振替休日」を設定し、労働日と休日を事前に交換していた場合は対象となります。
eラーニングや通信制による訓練 これらは制度上、賃金助成の対象外です(経費助成のみの対象となります)。
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