12月中に退職が決まっている社員の年末調整を行うべきか?

12月途中で退職する予定の社員がいます。

この社員は次の就職先も決まっていますが、就職先の初給与は来年の支払となり今年の最終給与は弊社から支払うものとなります。
その際には弊社でこの方の年末調整を行うべきなのでしょうか。


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回答

【原則】
本年最後の給与の支払いをする時において「給与所得者の扶養控除等異動申告所」を提出している人のうち、本年中の給与の総額が2,000万円以下の人が年末調整の対象となります。
また本件の場合、上記に加え年の途中で退職した人で「12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人」は年末調整の対象となります。
ここで、「給与の支払いを受けた」の意味が問題となりますが、税法上、給与所得の収入金額の計上時期は支給日と解されますので、支給日(たとえば12月25日)後に退職した社員の方が年末調整の対象となります。
従って、この場合12月25日よりも前に退職の社員の方につきましては、御社で年末調整を実施する必要はございません。

【実際の運用】
「12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人」は年末調整の対象とする必要があります。
逆に、12月の退職者で、「12月中に支給期の到来する給与の支払いを受ける前に退職した人」を年末調整の対象にしてはならない、という決まりがあるわけではございません。
年の中途で退職した人であっても、その年の給与収入額が確定している方(例:死亡により退職した人・著しい心身の障害のため退職した人で、その退職時期からみて、本年中に再就職ができないと見込まれる人)については、年末調整の対象とされています。
同様に、12月退職者の退職日が12月の給与支給日前であっても、年間の給与収入額が確定しているのであれば年末調整の対象とすることに問題はございません。

【結論】
御社で年末調整を実施する必要はございません。
もっとも、年間の給与収入額は確定していますので、年末調整の対象としても差し支えありません。
年末調整を実施されると、ご本人にとって便宜でよろしいのではないでしょうか。
なお、ご質問者様もご認識のとおり、年内の最後の給与が次の就職先から支給される場合ですと、年末調整は次の就職先で実施することになります。


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公開日: 税務・税法 賃金

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