出張の移動時間に対し賃金を請求された場合について

現在、従業員から出張を行う際の移動時間に対して賃金の請求をされております。

上記の移動時間に対して今まで賃金は支払っていなかったのですが、こちらの移動時間に対して賃金の支払いは必要なのでしょうか?

回答

結論から申し上げますと原則は出張中の移動時間に対して、賃金を支払う必要はございません。
まず前提として賃金は労働時間に対して支払うものであり、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」と判断しています。
出張に対しての移動となりますと、目的地に到着する間、従業員自らの意思に基づいた自由行動が可能となります。
例えば、好きな時間に休憩しながら食事や仮眠を行う事が可能です。
また、目的地に到着する間、携帯電話をオフにしていたとしても、会社から注意される所以はありません。このような移動時間は、労働時間とは認められません。

ただ注意点として、下記のようなことを行う場合は労働時間に該当する場合がございます。
・移動を兼ねて物の運搬や管理等を行う。
・上司に同行して移動中に仕事の打合せを行う。
つまり移動時間中に業務に関する何らかの作業を行う場合は、移動時間も労働時間に該当するといえます。
まずは貴社で行っている出張の移動時間に対し、上記を行っているか確認を行い、もし行っている場合は出張の移動時間に対して支払いを行う等の対応を行う必要がございます。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑