【税務・税法】令和5年の年末調整のポイントは?今からできることは?

令和5年の年末調整では、どのような変更点がありますでしょうか?また、今から準備しておいた方がいいこと等ありましたら、アドバイスをいただきたいです。

回答

令和5年の年末調整での大きなポイントは、以下の3つになります。内、現時点での準備が可能な点について、ご案内致します。

① 非居住者の扶養親族の適用範囲変更
② 退職手当を有する配偶者、扶養親族欄の追加
③ 住宅ローン控除区分の追加・変更

①非居住者については、30歳以上70歳未満の者の内、「A.留学生・B.障がい者・C.生活費等38万円以上の送金を受けている者」以外は扶養親族の対象外となります。この変更は、令和5年から適用となった税制改正によるものです。つまり、令和5年の年末調整で初めて適用、影響するものとなります。

非居住者の扶養親族を持つ令和5年以前入社の従業員様におかれましては今年の1月から、令和5年中の中途入社の従業員様におかれましては、令和5年初回の給与計算から、所得税計算で扶養親族のカウントに影響しています。もし当該変更内容を反映しない形で扶養親族をカウントしている場合、年末調整における還付・徴収差額が大きくなることが懸念されます。この時期に、一度見直しをされるのもよろしいかと存じます。

また、年末調整の際に提出を要する資料として、Aの場合は留学ビザ等の書類、Cの場合は38万円以上の送金関係書類が必要となります。該当の被扶養者がいる従業員様には、あらかじめ当該書類が必要となる旨ご連絡し、年末調整の際に、スムーズにご提出していただけるようにご案内していただくのがよろしいかと存じます。

②令和5年の扶養控除等異動申告書から「住民税に関する事項」に「退職手当を有する配偶者・扶養親族」の欄が追加されました。これは扶養の範囲となる所得額の算出について、所得税では退職所得を含む、住民税では含まない、という違いによるものです。

このような情報を予め発信し、配偶者、扶養親族において、令和5年中に退職所得の受給があったかどうか、確認を促しておきますと、年末調整の申告がスムーズになるかと存じます。
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公開日: 税務・税法

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