退職予定者にも休暇はとらせなければいけないのか?

従業員から退職の希望がありました。また退職にあたっては、明日以降の出勤はせず、残っている年次有給休暇・夏季休暇・慶弔休暇(直近ご入籍)をすべて取得してからの退職をしたいと言っています。
年次有給休暇の取得は拒めないと聞いたことがありますが、夏季休暇および慶弔休暇は、退職前提の従業員に必ず取得させなければいけないのでしょうか?
慶弔見舞金の申請もありますがその支払いも急な退職でこちらも困っておりますし、行いたくありません。

回答

年次有給休暇はご認識の通り、取得を拒むことはできません。そのほかの夏季休暇・慶弔休暇についても規程に記載がある取得要件を満たしている限り、取得させる必要があります。
慶弔見舞金については慶弔見舞金規程等で支給する旨を明確に定めている場合、賃金の扱いとなり、請求があれば支払う義務が生じますので今回についても支払いを行う必要があります。

参考:退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であつて労働協約、就業規則、労働契約等によつて予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。(昭和22年9月13日発基第17号)

したがって急なご退職で会社としてはお困りだとは思いますが、その懲罰的な対応として休暇の取得を認めない・慶弔見舞金を支払わないという対応は難しい、となります。
今回のようなケースで取得をどうしても認めたくない、となりますと規程内に例えば「退職を申し出た以降は取得できない」などの文言を追加する必要があります。
もちろん今回のような急なご退職が発生しないよう、日頃のコミュニケーションが一番の対応策になりますのでなぜ今回急な退職の申し出となったのかをしっかりと確認をし対策をおすすめいたします。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑