フレックスタイム制度を適用している従業員の休職の対応について

弊社で勤務している従業員が、精神的な不調により1、2ヶ月程休職することになりました。弊社はフレックスタイム制度(コアタイムなし)を導入しているのですが、その場合の下記について教えて頂きたいです。
①フレックスタイム制度においては欠勤控除という概念はないかと思いますが、この場合傷病手当金請求書はどのように申請すれば良いでしょうか?
②復帰後はフレックスタイム制度を適用させながら短時間勤務にさせるか、残業なし定時勤務にさせるかを考えております。どちらの方が適切でしょうか?

回答

①ご認識の通り、コアタイムを導入していないフレックスタイム制度においては欠勤控除の概念がございません。
そのためお休みした分については欠勤控除ではなく、清算期間における総労働時間と実労働時間との不足時間の控除を書く必要がございます。
傷病手当金支給申請書の賃金内訳欄に欠勤控除の計算式を記載する箇所があるかと思いますが、そちらに不足時間の計算式を記載したうえフレックスタイム制度を適用している旨を記載して申請をお願いします。

②結論からいいますと、どちらもフレックスタイム制度においてはあまり適切ではありません。
詳細は以下の通りです。

短時間勤務対応
フレックスタイム制は、労働者が始業、終業時間を自由に決められる制度でございます。
貴社はコアタイムの設定もないとのことですので、働く時間は基本的に労働者に委ねていると考えます。
ですので、そもそも月の所定時間を短くする、という意味でなければ、短時間勤務の概念には当てはまらないかと存じます。

残業なし定時対応
ご存じかとは存じますが、フレックスタイム制における時間外労働の考え方は通常と異なります。
通常の労働時間制であれば1日について8時間を超えた部分から時間外労働とカウントされますが、フレックスタイム制度における時間外労働は清算期間における労働時間の総枠を超えた部分からカウントされます。
ですので、こちらもフレックスタイム制度においては適切ではない考え方かと存じます。

もし、フレックスタイム制度から外し、出退勤の時間を固定にしたうえで時短、もしくは残業無し定時ということであれば、ご本人様と覚書等かわすことになりますが可能です。
精神的な不調は復帰後も出社状況が不安定になる可能性もございますので、ご本人様と相談、お医者様の判断を鑑みて復職後の働き方を検討するのが良いかと存じます。
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