【人事担当者必見】初めて外国籍人材を雇用する企業が知っておくべきこと(後編)

本記事は外国籍人材を雇用した経験がない企業のために、募集から採用後の管理まで一連の流れについて説明します。前編は企業が外国籍人材を雇用する前に、必要な事前準備・受け入れ体制の構築や募集・採用について紹介しました。今回は前編に引き続き、外国籍人材にとって大切な就労ビザ申請にかかる手続きや採用後の雇用管理について説明します。

 

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【人事担当者必見】初めて外国籍人材を雇用する企業が知っておくべきこと(前編~)

 

Step 3 就労ビザ申請の手続き

1、 在留資格の確認

就労ビザを申請する前に、在留資格を確認する必要があります。既に在留している外国籍人材の場合は、現在手元にある在留資格によって手続きが異なります。簡単に言えば、在留資格とは日本滞在を認める資格です。在留資格は活動に基づく在留資格身分・地位に基づく在留資格に大きく分かれており、全部で28種類あります。その中で、就労可能の在留資格は18類しかありません。それは、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」、「技能実習」「永住者」、「永住者の配偶者等」、「定住者」です。

 

①在留資格を持つ外国人の場合

在留外国人が所持している在留資格を確認します。新卒者、既卒者採用と中途採用により、必要な手続きが分かれております。新卒者が持っている「留学」と既卒者が持っている「特定活動」資格の場合では、必ず「在留資格変更許可申請」を行わなければいけません。中途採用者の場合では、職種が変わったら、職種にマッチする新しい在留資格種類に変更する申請を行う必要があります。一方で、転職しても職種内容が変わってない場合では、在留資格有効期限内に在留資格の変更を行わなくても構いません。

 

②日本滞在資格がない海外にいる外国人を日本に招へいする場合

就労ビザを取得する資格の有無を確認します。事前に採用する予定候補者の学歴、職歴が就労在留資格要件とマッチできるかどうかを確認します。外国籍人材が保持する履歴書と卒業証明書を確認しながら、上記の18種類の就労在留資格が定められた取得条件の一件に該当する場合は就労在留資格の取得が可能となります。

2、 就労ビザの申請

① 申請期間

外国人が採用内定を得ていても、「技術・人文知識・国際業務」などの就労が可能となる在留資格が許可されるまでは働くことができません。ビザ申請人の勤務先の企業規模や就労内容によって個別に判断しますので、申請期間は全く異なります。平均的には1カ月前後ですが、実際は2カ月~3カ月かかる場合もあり、2週間ほどで審査が終わる場合もあります。少なくとも2カ月前に審査書類を提出してください。

 

② 「人文知識・国際業務」就労資格

就労が可能な在留資格は「法律・会計業務」、「投資・経営」、「教授」などこのほかにも28種類がありますが、通常はあまり利用されることはありません。もっとも多く利用されている就労資格の種類は「人文知識・国際業務」です。

「人文知識・国際業務」とは、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く)という定義を定めました

(出典:出入国管理及び難民認定法の第二条第2項,別表第1の2, 昭和二十六年政令第三百十九号)。

 

③ 「技術・人文知識・国際業務」のポイント

契約には、雇用のほか、委任、委託、嘱託なども含まれますが、特定の機関との継続的なものでなければなりません。また、この契約に基づく活動は、日本国内において適法に行われるとともに、在留活動が継続して行われる見込みがあることが必要です。

 

④ 申請提出書類

企業が入国管理局に提出する必要書類について例示します。(企業規模より必要とする提出書類は異なりますので、設立2年目以降の中小企業を例として、例示します。)

㈠在留資格認定証明書交付申請書
㈡登記事項全部証明書
㈢会社概要
㈣直近年度の決算書
㈤雇用契約書
㈥候補者の履歴書
㈦申請理由書 等

Final Step 入社後の雇用管理

外国籍人材の就労ビザが発行されてから、雇用開始になります。
雇用を開始する際に、いくつかの手続きの交付や注意点があります。

1 雇用状況届出

雇用を開始しましたら、雇用状況をハローワークに報告する必要があります。不法就労労働基準法違反を防止するため、必ず届出を出してください。

 

① 雇用保険の被保険者となる外国人の場合

「雇用保険被保険者資格取得届」の備考欄に、採用者の国籍・地域・在留資格・在留資格の種類・資格活動外許可の有無などを記載し、ハローワークへ届出を出す必要があります。

入国管理局また雇用対策法で定められた提出物となるので、申請を忘れずに行います。

雇用保険被保険者資格取得届

取得届の提出期限は雇入れの翌月10日までになります。

 

② 雇用保険の被保険者ではない外国人の場合

届出様式(第3号様式)に、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域等を記載してハローワークへ届出を出す必要があります。

雇入れの届出期限は翌月末日までです。

(出典:ハローワークインタネットサービス)

2 就業規則の翻訳版を作成

出身にもよりますが、基本的に外国籍人材は、日本人よりも契約を重視する意識を持っていることが多いです。就業規則については確実に確認してもらうために、写しを交付して、受領のサインをもらっておくことをおすすめします。

また、労働基準法上は就業規則を外国籍人材の母国語に翻訳するという規定は特にはありませんが、職場のルールをより明確にして、トラブルを予防し、互いに信頼関係を構築するために、就業規則を外国語に翻訳し交付することは、効果があるでしょう。

3 就労活動の種類と在留可能の期間に注意

①業務には制限がある

外国籍人材の場合では、在留カードの「就労制限の有無」欄には「在留資格に基づく就労活動のみ」という項目が記載されています。「技術・人文知識・国際業務」、「技能」などは「与えられた在留資格の範囲内で就労が認められている」在留資格ですので、外国籍人材は在留カードに記載された就労資格に一致する業務を行う必要があります。すなわち、担当業務は制限があります。

例えば、技術・人文知識・国際業務在留資格で就労している外国籍人材が許可されている就労内容と異なるような単純労働をすることは、不法就労として、犯罪になる可能性があります。

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者

二  外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者

三  業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした。

(出典:入管法の第73条の2)

その場合、不法就労をした外国人を雇用していた会社に対して、不法就労助長行為として法律違反とみなされることがありますので十分注意してください。

 

② 更新時期の管理が必要

在留カードには在留期間が記載されています。在留期限が切れる前に在留資格更新の手続きをすることが必要です。在留資格更新は外国籍人材本人が行うことですが、会社は社員の在留期限を管理する必要があります。在留期限が切れているのに更新しないでいると、外国籍人材が不法滞在となってしまい、犯罪となる場合があります。その社員が勤めている会社は入国管理局から信頼を失い、以降の外国籍人材の在留資格取得が困難になる場合がありますので、ご注意ください。

まとめ

記事の後編では就労資格申請の手続きや入社後の雇用管理について説明しました。まとめてみれば、就労資格の申請については、申請期間にきちんと注意して早めに提出書類を揃えて入国管理局に申請を行ってください。それで、入社後の雇用管理について、ハローワークに外国籍人材の雇用状況を届出する必要があることに注意してください。また、外国籍人材に担当させた業務と就労資格は一致していなければいけません。違反した場合は違法になり、罰金を払う恐れがあることに注意してください。

最後まで読んでいただいて誠にありがとうございました。この記事に参考に、外国籍人材の雇入れの役に立てれば幸いです。

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譚佳慧

社会労務士新人として、日本人事のことを積極的な姿勢で学びにいきます。人事・労務管理関連の記事を書いていきます。カラオケが大好きです。

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