就業規則の周知を行っていない場合の基本給減額措置
55歳に達した時点で、基本給の10%を減額するということを行っております。
減額については就業規則に記載しておりますが、周知等はしておらず、有効になっているのか分かりません。
上記の内容で減額した場合、法的問題はあるでしょうか。
回答
就業規則には労働契約の内容となる効力があります。
労働契約法第7条では、
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」とあります。
契約内容の変更など、労働者に不利益となってしまう場合は、周知をしていないと無効になるとされています。
周知方法について以下記載します。
・ 事業所の見やすい場所に掲示する、または備え付けること
・ 書面を労働者に交付すること
・パソコンなどにデジタルデータとして記録して常時確認できるようにすること
また、これらの周知方法によらなくても何らかの方法で労働者側に実質的に知らされていれば問題ありません。
ご質問の場合、周知をしているとは言い難い状況であるため、説明をしたうえで周知をする必要があるかと考えます。
「周知」として認められる方法には次の3つがあります。
・ 事業所の見やすい場所に掲示する、または備え付けること
・ 書面を労働者に交付すること
・パソコンなどにデジタルデータとして記録して常時確認できるようにすること
これらの周知方法によらなくても何らかの方法で労働者側に実質的に知らされていれば問題ありません。
就業規則の不利益変更について(労働契約法第8条、第9条、第10条)
・会社が労働者の同意なく一方的に就業規則の不利益変更を行うことはできません。労働者の合意を得ずに就
業規則を労働者に不利益に変更したときは、無効となります。変更される労働条件の内容を十分に説明し、
検討に十分な期間を与え、合意が得られたら合意書や同意書など書面で記録しておくのがよいでしょう。
・不利益変更の合理性は次のような要素を総合的に考慮して判断されます。
1.労働者の受ける不利益の程度
2.労働条件の変更の必要性
3.変更後の就業規則の内容の相当性
4.代償措置その他関連する労働条件の改善条件
5.労働組合等との交渉の状況
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