社員エンゲージメントを高めるポイント① ~個へのフィードバック~

前回、前々回にお伝えしました社員エンゲージメントを考えるときのポイントとして【SPARC】をご紹介しました。今回はこの中の「R:報酬」と「C:挑戦性」に関係する内容をご説明したいと思います。

さらに、前回の【個人の悩み】から社員エンゲージメントを考える時にご紹介しました「②夢、キャリア、将来」にも関係する内容です。

 

前々回の内容は、こちら

社員エンゲージメントを向上させる人事制度

社員エンゲージメントを向上させる人事制度

前回の内容は、こちら

社員エンゲージメントポイント“SPARC”と 社員の悩みからのエンゲージメント

社員エンゲージメントポイント“SPARC”と 社員の悩みからのエンゲージメント

 

社員エンゲージメントとは・・・

「社員が、組織への貢献を自発的な態度、意欲、姿勢と知識、能力等により成果につながる行動を取り得る状態」、また、「組織への貢献意欲、思い入れ、愛着」

をいいます。

 

 

現場マネジャーにできること

エンゲージメントを高めるポイントは、いくつもありますが、その中で、今回は、現場でマネジャーができることについて触れてみたいと思います。

 

エンゲージメントにも関連性のあるモチベーションに影響するマネジャーの役割として重要な事項について、2009年にマッキンゼーが現場のマネジャーに調査アンケートを行ったところ、現場のマネジャーの認識としては、「評価」「インセンティブ」「対人関係のサポート」「明確な目標」がモチベーションに影響していると回答が得られました。

 

確かに、このような要素がモチベーションに大切であると同時に社員エンゲージメントにも大切な要素ではありますが、より強力に関連性と影響するものとして「インナーワークライフ」(個人的職務体験)があります。

 

「インナーワークライフ」の提唱者であるTeresa Amabile & Steven Kramerによると、この「インナーワークライフ」は、社員エンゲージメントを高めるとともに、ハイパフォーマンスの4要素(創造性、生産性、コミットメント、同僚性)に影響を与えることが調査・研究結果として出ています。

 

このインナーワークライフは、3つの要素「感情:職場での出来事に対する反応」、「認識:職場での出来事に対する状況認識」、「モチベーション:その仕事への熱意」から成り立っており、この3要素を満たすことにより、ハイパフォーマンスにつながるというものです。この3要素を満たすために必要なマネジャーの大切なこととして「進捗に関するフィードバック」があります。

この進捗に関するフィードバックが行われることにより、自己効力感が高まり、難しい挑戦を受け入れ、持続的に取り組むように人を動機づけることができます。

 

進捗に関するフィードバック

「進捗に関するフィードバック」は、仕事の進捗状況の確認とともに、エンゲージメントを高める要素である

  • 【貢献した社員に対する承認と積極的なフィードバック】
  • 【上司からの個人的サポート】

を行うことにより、より効果的なフィードバックとなり、エンゲージメントを高めることができるのです。

 

近年、多くの企業で導入され始めている“1on1”もこの内容を踏まえて行われているものです。

 

これによって、社員エンゲージメントのポイントの“SPARC”の「R:報酬」の非金銭的報酬が与えることができます。

“社員への承認(=存在価値)”として本人を認めてあげること。そして、“積極的なフィードバック”により本人への期待感を伝えることが非金銭的報酬を与えることができます。

 

また、“積極的なフィードバック”、“個人的サポート”いずれも自己効力感を高めることができることは前述したとおりですが、それ以外に自己効力感を成り立たせる要素として、自分が達成した「成功の体験」があります。

“自己効力感”を提唱したアルバート・バンデューラは、この「成功体験」を最も重要と考えており、何度も繰り返し成功を体験することにより自己効力感は増していきます。

 

自己効力感が増していくと、本人としても自信がつき、より挑戦的な取り組みに臨むことができます。【SPARC】の「C:挑戦性」を押さえることができます。

さらに、自己効力感によって、うまく物事ができると自分の可能性を認知すると、“将来”や自身の“キャリア”に自信や見通しなどがついてきます。【個人の悩み】の「②夢、キャリア、将来」がクリアになります。

 

 

成功体験を人事制度で実現する

自己効力感を高める成功体験を人事制度で実現するとなりますと、“目標の達成”となります。

しかし、その目標を達成させることが一番大変ではないでしょうか。

 

目標達成に近づけるために、目標設定が重要であることは、ご存知かと思います。SMART基準(最近ではもっと効果的な設定基準がありますが)などを駆使して目標を設定し、行動計画を立ててスタートしますが、達成までの過程で様々な障害(外的、内的要因や人為的、物理的要因)が立ちはだかり、なかなか到達できないことがあります。

 

この場合の対処として

  • 目標の変更(別の目標に設定し直す)
  • 達成レベルの引き下げや調整による見直し

などが行われます。

 

期のはじめに自己で設定した挑戦的だった目標が、平凡な目標に替わってしまったり、最悪、目標の変更等もされずに期の終わりを迎えてしまうこともこともあり得ます。

 

これでは、目標を達成しても、より良い成功体験とならずに自己効力感をそれほど高めることができません。

 

より良い成功体験生み出すための具体的手法

では、どうすれば、期のはじめに立てた挑戦的な目標の達成確率を上げて、より良い“成功体験”とするのか。

それは、目標設定における行動計画を立てるときにひと工夫するだけです。

  • 想定される障害を洗い出す
  • その障害に対して、「もし、○○だったら、△△をする」形式で対応策を立てる

これだけです。

これによって“どんな行動をするかを事前に決めておく”ことにより達成の確率が高まります。(数百の研究結果により、確率が2倍以上高くなると分かっています)

 

このような様々なエッセンスを人事制度に装備しておくことにより、エンゲージメントを高め、効果を享受することができます。

これが、「新機軸による人事制度(α版)」です。

 

この新機軸による人事制度(α版)は、評価のための人事制度、報酬につなげるための人事制度などの通常の人事制度とは異にするものであり、より総合的な人事の仕組みに様々なエッセンスを盛り込み、社員エンゲージメントを高めていこうというものです。また、パフォーマンスマネジメントの機能も備えた人事制度となります。

 

詳しくは、こちら( https://consulting.o-sr.co.jp/ )をクリックしてください(弊社ホームページに移動します)

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