36協定書における業務の種類について

当社では技能職社員の業務の種類として、自動車運転手と荷役作業員を設定しています。

1日の労働において自動車運転と荷役作業の両方を兼務する技能職社員につきましては、どのような判断に基づき業務の種類を設定したらよろしいのでしょうか。

 

現在、産業廃棄物の収集運搬に従事している技能職社員がおります。

作業内容としては、請負契約先の乾燥炉で植物性残渣の焼却乾燥作業を行い、生成された有機物をコンテナに積み込み、そのコンテナをトラックにて運搬するものです。

焼却乾燥、及びコンテナへの積み込み作業に従事している時間が多くトラックを運転している時間は、1日当たり1時間から2時間程度です。

産業廃棄物の集収運搬という特殊性から考えると焼却乾燥作業やコンテナへの積み込み作業も収集運搬(トラック運転)の範疇に入るとの解釈にもなるかと思うのですが、このような技能職社員の業務の種類はどのような判断で行えば良いのでしょうか。

時間外労働時間の上限の関係で、自動車運転手として設定したい意向があるのですが、問題はありますでしょうか。

回答

36協定は業務ごとに対象者を設定する必要があります。
36協定書に記載する人数には、自動車運転手と荷役作業員それぞれ1名ずつカウントし、作成してください。
36協定は業務ごとに時間外労働を免罰するものですので、もし対象の方が、たまたま1日9時間の自動車運転手としての業務を行った場合、1時間分の時間外労働について36協定の範囲に入っていなければ労働基準法違反となってしまいます。
同様に1日9時間荷役作業員の業務を行った場合も荷役作業員業務の36協定の範囲に入っていなければ労働基準法違反になります。
上記の考え方から、各業務で36協定を結んでおく必要があり、「時間外労働時間の上限の関係で自動車運転手として設定」することはできません。
その方の業務内容に合わせて36協定を締結してください。
また、会社によっては36協定の人数についてですが、年間の入退社も考慮し、人数を多めに書いている場合も御座います。
36協定に定められていない業務で時間外労働が発生してしまうと労働基準法に違反してしまいますので、36協定の業務内容の記載部分に御社の業務内容をしっかり反映するようにしてください。
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公開日: 労使協定 就業規則 採用・雇用

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