助成金の提案について

顧問先企業から「何か助成金を提案してほしい」と依頼がありました。どのように対応したらよいでしょうか。

回答

A:まず「助成金を探す」のではなく、「顧問先が今後1年で何をするのか」を聴き取ってください。

【手順】

①ヒアリング(ここが起点)
採用予定、正社員登用の予定、育休の取得予定者、研修計画、設備投資、定年延長・再雇用の方針、離職の状況を確認します。「これからやること」に助成金を当てるのが原則です。

②法改正対応の確認
育児・介護休業法の改正が続いているため、規程改定が未了の顧問先は少なくありません。改正対応と助成金を一体で提案できると、話が通りやすくなります。

③助成金を探す
厚生労働省の「雇用・労働分野の助成金のご案内」で【助成の対象となる取組】と【助成金名】を確認します。ただし年度当初のリーフレットだけで判断せず、必ずコース別パンフレットと支給要領の最新版で確認してください。年度途中に改正されます。

④要件のギャップを洗い出す
現状で満たせない要件(帳簿の不備、規程の未整備、未払残業、労働保険料の滞納)を特定します。ここを飛ばして提案すると、後で申請できません。

⑤整備を先に提案 → ⑥計画届 → ⑦取組の実施 → ⑧支給申請
ほとんどの助成金は取組の前に計画届の提出が必要です。着手済みの取組には使えません。

【提案しやすい助成金の例】

両立支援等助成金(育児休業等支援コース):育休復帰支援プランの策定が要件。育休取得時30万円+復帰時30万円。育児・介護休業規程の改定提案とセットにできます。
人材開発支援助成金(人への投資促進コース):スキルアップ・キャリアアップ目的の研修に。令和4〜8年度の時限措置で、令和8年度が最終年度です。提案するなら今年度中の計画届が必須です。
キャリアアップ助成金(正社員化コース):中小企業で最も出番が多い。ただし「重点支援対象者」に該当するかで支給額が変わるため、金額を断定して説明しないこと。

【どの助成金にも共通する要件】

雇用保険の適用事業所であること/労働保険料の滞納がないこと
法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)および年次有給休暇管理簿の整備・保存
賃金の支払実態が賃金台帳・出勤簿・振込記録で客観的に確認できること
支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日までの間に、労働関係法令の違反がないこと(未払賃金・未払残業がないことを含む)
コースにより、一定期間に会社都合の離職者を出していないこと

【顧問先に必ず伝えること】

支給申請から入金まで概ね半年〜1年かかります。助成金を前提に資金計画を立てないでください。
審査の結果、不支給となる可能性があります。支給を保証するものではありません。
不正受給が認定された場合、事業主名の公表、5年間の不支給、返還および加算金の対象となります。申請に関与した社労士等の名称も公表されます。

【要最新確認】 各コースの支給要件・支給額・実施期間は毎年度改正されます。提案前に必ず最新の支給要領で確認してください。
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公開日: 助成金

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