障害者雇用申告時の常用労働者とは?

ハローワークから障害者雇用状況報告書というものが届き、担当することになりました。
その中で「常用労働者」の数を記入、とありました。
少し前に障害者雇用納付金の申告書を提出し、ここでも常用労働者の人数を記入しましたが、これと同じ考え方でよいのでしょうか。

回答

お問い合わせの件につきまして、結論から申し上げますと、障害者雇用納付金の申告時と障害者雇用状況報告書の申告時では若干人数算出の方法が異なります。

障害者雇用納付金、障害者雇用状況報告書ともに、常用労働者の算出時、以下の部分については同じ考え方となります。

(1)雇用期間の定めが無い、もしくは1年を超える期間継続で雇用される(見込み含む)
(2)1週間の所定労働時間により、以下の2つに区分される。
   ①短時間以外の常用労働者 1週間の所定労働時間が30時間以上
   ②短時間労働者      1週間所定労働時間が20時間以上30時間未満
   ※1週間の所定労働時間が20時間未満の方は対象外となります。

原則としては、上記に当てはまる人を常用労働者として人数を算出してまいります。例えば、雇用期間の定めの無い正社員の方はそのまま常用労働者としてカウントして問題ございません。

一方で、パートタイマーの方等、必ずしも1週間決まった日数、決まった時間で働く訳では無い方もいらっしゃるかと存じます。
こういった方々については、障害者雇用納付金申告書と障害者雇用状況報告書では常用労働者の算出方法が変わってまいります。

障害者雇用納付金の申告では、上記のような方々については、対象期間1年間(途中入社の方は入社月以降)の間の実際の労働時間から1週間の平均労働時間を算出し、その時間を上記(2)に当てはめて常用労働者の人数をカウントいたします。

他方、障害者雇用状況報告書の申告時は、実際の労働時間では算出いたしません。申告年の6/1時点の雇用条件のみで常用労働者であるかどうかを判断いたします。
具体的には、以下のようになります。

(1)雇用契約上で1週間の所定労働時間が30時間以上である場合 ⇒ 短時間以外の常用労働者
(2)雇用契約上で1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である場合 ⇒ 短時間労働者
(3)雇用契約上で1週間の所定労働時間が20時間未満である場合 ⇒ 対象外
(4)雇用契約上で1週間の所定労働時間が明確でない場合(シフトによる等)
   ①雇用保険加入の場合  ⇒ 短時間労働者
   ②雇用保険未加入の場合 ⇒ 対象外

(4)については、常用労働者の算出上は、雇用契約上1週間の所定労働時間が明確でなく、雇用保険に未加入の場合は対象外として差し支えございません。
雇用保険に加入している場合については短時間労働者としてカウントして下さい。

上記のように、障害者雇用納付金の申告時は実績を加味する必要があるのに対し、障害者雇用状況報告書の申告はあくまで6/1時点での雇用契約に基づいて常用労働者を算出いたします。

一見似たような申告ではございますが、各々詳細で異なる部分がございますので、混同せずご申告くださいますようお願いいたします。
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公開日: 障害者雇用

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