障がい者手帳を所持していることがわかった社員への対応は?

今回、従業員の中で障がい者手帳(精神障害)を持っているということが初めて判明しました。
採用時には障がい者であることは把握していません。
また、入社時に提出された書類、扶養控除申告書にも障害者区分にチェックがありませんでした。

障害の状況を確認したいので人事側で本人と面談設定することに何か問題はありますでしょうか。
また、面談をする場合の注意点はございますでしょうか。

回答

障害者の雇用に関して、厚生労働省より「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」(平成17年11月4日 厚生労働省職業安定局長通知)がございますのでこちらに基づいた対応を取っていただくことが重要です。

今回のケースは「採用後に障害を把握・確認する場合」に該当します。
採用後に障害を有することとなった者や、採用前や採用面接時等において障害を有することを明らかにしていなかったが、採用後明らかにすることを望んでいる者を把握・確認する場合にあたります。
原則として、障害者を把握する場合、雇用している労働者全員に対して申告を呼びかけることとされています。しかし、例外的に個人を特定して照会を行うことも可能です。

把握・確認手続きは情報を取り扱う者の範囲を必要最小限としてください。
原則として企業の人事管理部門において障害雇用状況の報告、障害者雇用納付金の申告、障害者雇用調整金又は報奨金の申請を担当する者から直接本人に対して行っていただくことをお願いします。

また面接の際の注意点は今回、障害者であることが判明したきっかけが本年度に提出された扶養控除申告書の障害者控除欄に記載があったということですので、【個別の状況によっては照会を行う根拠として不適切な場合があり得る例】に該当致します。

労働者本人の障害の受容の状況や病状によっては照会を行うこと自体が本人の意に反するようなケースも生じうると考えられる事例です。
これらの情報をもとに照会を行おうとする際には、照会を行うことが適切かどうかの見極めを企業において判断いただきます。本人の障害の受容の状況を社内において該当障害の状況や病状を熟知している専門家(産業医など)にご相談いただいた上で、面談を行うことが適切であるかを判断をお願いします。
前述したとおり面談は御社において障害者雇用状況の報告など把握されている方より行っていただくことが適切です。
また、面談するにあたっては「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」を参照の上、ご本人に利用目的を明示して本人の同意を得ていただくようお願いします。

<参考資料>
プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインの本文­­ ー事業主の皆様へー
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000366180.pdf
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公開日: 障害者雇用

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