「未加入期間国民年金適用勧奨」が届いたら、どうする?

弊社には外国人の社員がおります。この方は現在25歳で独身、約1年前に4ヵ月ほど在籍(社保加入)し、ご本人の都合で退職、そのまま帰国された経緯があります。今回、再入社することになり、入国後に入社(社保加入)の手続を行いました。

その後、ご自宅に日本年金機構から「未加入期間国民年金適用勧奨」という書類が届き、相談を受けました。

弊社の在籍期間と日本に住んでいた期間はほぼ同じはずで、その間は厚生年金に加入していたので未加入期間はないという認識ですが、ご本人にどのように説明し対応してもらえばよいか、留意点等を教えていただきたいです。ちなみに、日本とその国は社会保障協定を結んでいないようです。

回答

 「未加入期間国民年金適用勧奨」とは、国民年金の加入手続を促す書類となります。いわゆる、加入して保険料を納めていない(「未納」状態の)場合に届く「督促状」ではありません。ただし、勧奨に応じない場合は、日本年金機構が審査の上、職権で強制的に加入手続を行い、結局「督促状」が届く事態になりうるので、放置してはならない書類です。

 国民年金の加入手続が必要な場合とは、例えば、退職後に(一定期間)、➀無職の場合、②社保加入要件に満たないアルバイトをする場合等が挙げられます。すなわち、国民年金の第2号被保険者から第1号被保険者となる場合で、手続をしていない場合に「未加入期間国民年金適用勧奨」が届くことになります。国民年金第1号被保険者の要件は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満で、第2・3号被保険者でない方であり、日本に住んでいる外国人の方も対象となります。

 今回のケースは外国人の方が帰国をされた(日本に住んでいない)ケースであり、ご認識のとおり、未加入期間の発生が考えにくいですが、実際に「未加入期間国民年金適用勧奨」が届いたことを踏まえると、例えば、国外への転出届を出していなかった、または遅れてしまったことによって、その期間が国民年金第1号被保険者となるべきだった可能性が挙げられます。

 ただし、上記はあくまでも可能性であるため、日本年金機構に「未加入期間国民年金適用勧奨」が届いた具体的な事情をお伺いして、ご本人に適切に対応してもらいましょう。「督促状」(現状が「未納」状態)ではないからといって、書類を放置することがないように注意が必要です。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑