会社役員とパートタイムを兼業する場合の雇用保険加入について

新規雇用するパートタイム従業員が家族の経営している会社の役員に就任しています。
当社で週20時間以上勤務いただく予定ですが、雇用保険に加入することになりますでしょうか。
その他、何か注意すべき点はありますでしょうか。

回答

会社の役員は原則として雇用保険の被保険者になりません。
但し、役員であっても兼務役員である場合は役員に就任している会社で雇用保険に加入していることがあります。兼務役員とは役員でありながら部長、支店長、工場長などの従業員として従事しており、勤務形態や賃金が労働者と同様であると認められる場合に被保険者となります。(公共職業安定所の審査が必要です)尚、代表取締役は被保険者になりません。
役員を勤めている会社で雇用保険に加入されているのであれば御社で加入する必要はございません。
しかし、役員に就任している会社で加入されていなければ御社で加入いただく必要があります。雇用保険の被保険者に該当すれば加入いただきます。原則の条件は1週間の所定労働時間が週20時間以上であり、31日以上の継続雇用が見込まれる場合です。健康保険や厚生年金と条件が異なりますのでご注意ください。

また、次の者は雇用保険の被保険者に該当しません。当てはまることがないか確認が必要です。
①日雇労働被保険者とならない日雇労働者
②4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者で1週間の所定労働時間が30時間未満である者
③国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等により支給を受ける書給与の内容が雇用保険の失業給付の内容を超える者
④昼間学生

また、所得税について役員が本業であればもう一方の会社で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出されているはずです。収入の多いほうが本業になりますが、役員をされている会社と御社とどちらが本業となるか判断します。御社が本業でない場合は源泉所得税の区分は乙欄を適用することになります。こちらについてもご確認いただくようお願い致します。
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公開日: 雇用保険手続き

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