従業員から社会保険の加入取消を依頼された場合

 

先日、学生アルバイトAから自分が会社の社会保険に加入しているのかどうかの問い合わせが来ました。

数日前にAに健康保険証を手渡したためだと思いますが、どうやらAには社会保険に加入している認識がなかったようです。

 

Aに渡した雇用契約書には社会保険に加入する際のルールが記載されていました。

しかしAは自分が加入対象者であることまでは読解できなかったと言います。

また、採用担当は口頭で軽く説明をしたと言っていますが、Aはそれも覚えていないようです。

 

Aは未成年のため今度親が来て、入社時から社会保険には加入していなかったものとして修正して欲しいと相談に来るそうです。

会社としては労働条件の見直しをしても問題ないのですが、法的な要件を充足した働き方をしていた方なのでお断りするしかないでしょうか。

回答

ご質問内容の状況でしたら、そもそも社会保険の被保険者ではなかったものとして遡及処理が可能な場合があります。

本人は社会保険に加入するような働き方をする意思がなく、会社も本人の意思を理解していればその点配慮した労働条件を締結していたということであれば、契約内容そのものが誤りであったとして取得取消を行います。

ただし年金事務所によっては、一度締結した契約通りに働きかつそれが社会保険の加入要件を満たしているような場合は、加入取消ではなく契約変更時点からの資格喪失のみを対象とすると判断される場合もございます。

雇用契約時の状況と今後の働き方について改めて確認をしたうえで、管轄の年金事務所に確認をした方がよろしいかと思います。

なお、今回は従業員が未成年ということですので、(ご質問内容からは読み取れませんが)社会保険に加入する契約内容で問題ないかどうかも含めて会社から親への事前確認が必要であったものと思います。
未成年者を雇用する際には、社会保険に加入することへの同意書を親から必ず取るようにしておくことが必要と言えるでしょう。
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