労災から支給される通院費の範囲

業務中に足を骨折し、労災認定された社員から、通院費としてタクシー代を請求したいとの相談がありました。通院費も労災から支給されるという認識はあるのですが、どういった場合に支給されるのでしょうか。

通院した病院は勤務先から5kmほどの同一市町村内にあり、初回はタクシー。その後の通院には電車を使用したとのことです。

回答

ご認識の通り、労災から通院費(移送費)を受給するには要件があり、住居地または勤務地から、原則、片道2km以上(注1)の通院であって、以下の3つの要件のうち、いずれかに該当する必要があります。
(1)同一市町村内の適切な医療機関へ通院したとき
(2)同一市町村内に適切な医療機関がないため、隣接する市町村内の医療機関へ通院したとき
(3)同一市町村内および隣接する市町村内に適切な医療機関がないため、それらの市町村を超えた最寄りの医療機関へ通院したとき

ご相談内容を拝見するに、受診した病院は勤務地から5km程度であり、同一市町村内の病院に掛かったということですので本件は(1)に該当します。また、要件のうち「適切な医療機関」とは、傷病の診療に適した労災病院または労災指定医療機関を指しますので、こちらに関しては該当するものとして回答させていただきます。
通院費が支給される交通手段は、原則として公共交通機関(電車、バス)とされていますが、傷病の状態により、交通機関を用いての通院が困難と認められる場合には、タクシーの料金も通院費として支給される場合があります。
従業員の方は初回を除き、電車での通院をしているということですので、公共交通機関の通院費の支給がされると考えてよいでしょう。公共交通機関を使用する場合、領収書などは特に必要ありませんが、交通費把握のために、通院回数などは申請の際記入する必要があるので、従業員の方にお伝えしておくとスムーズに手続きが行えるかもしれません。一方、タクシーの運賃の請求には、領収書の添付が必要となるためこちらも併せてお伝えしておくとよいと思われます。
通院費については、公共交通機関はともかく、タクシー代が支給されるかは所轄労働基準監督署や、医師の判断による部分が大きく、不支給になる可能性もあるため、その旨を従業員の方にご説明されたうえで申請されるのがよろしいかと思われます。
(注1)片道2km以未満であっても、傷病の症状の状態からみて、交通機関を利用しなければ通院することが著しく困難であると認められる場合には、通院費の支給対象となります。
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SR人事メディア編集部
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