36協定に記入する労働者代表の選出に関する留意事項
もうすぐ更新が予定されている36協定の締結に関するご相談です。
従業員代表者の選出について注意すべき点はありますでしょうか。
回答
①の過半数組合の条件を満たさない場合、②の過半数代表者の選出が適正に選出されていない場合は36協定の締結が無効となる場合がありますのでご注意ください。
2019年4月に労働基準法施行規則が改正され、労働者の過半数代表者の選出要件が厳格化されています。
過半数代表者の選任に当たっては、以下の点に留意する必要があります。
- 管理監督者でないこと
- 36協定締結をする者を選出することを明らかにした上で、投票、挙手等の方法で選出すること
- 使用者の意向に基づいて選出された者でないこと
過半数代表者を使用者が指名した場合や社員親睦会などの幹事を自動的に選任した場合などは無効となる可能性があります。
さらに使用者は過半数代表者が協定締結に関する事務を円滑にできるよう、必要な配慮を行わなければなりません。具体的にはイントラネットや社内メールの使用、事務スペースの提供等になります。
労働者の過半数とは正社員のみならずパート、アルバイト、契約社員を含めた全従業員の代表です。留意点を確認いただき、もれなく円滑に36協定の締結を進められるようお願いします。
引用:厚生労働省 36協定の締結当事者の要件(H29.12)
◆管理監督者は、過半数代表者には選任できないが、労働者の過半数には含みます。
過半数代表者を選ぶ際の「労働者の範囲」は、管理監督者を含むすべての労働者です。時間外労働を行う対象者の意思を問う趣旨ではありませんので注意が必要です。
◆適切な過半数代表者の選出方法は?
・上記の「選挙等」の「等」には、労働者の話合い、持ち回り決議など労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きが該当します。
・閲覧やメールによる選出も、労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして実施し、その実施が投票、挙手等の民主的な手続きによる方法で選出されれば問題ありません。
・会社は、過半数代表者であること、過半数代表者になろうとしたこと、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由に、解雇、賃金の減額、降格等、労働条件について不利益な取扱いをしてはなりません。この「過半数代表者として正当な行為」には、法に基づく労使協定の締結の拒否等も含まれます。
◆過半数代表者が辞めてしまったが大丈夫?
過半数代表者は、実際に労使協定を締結する時点で法律の定める要件を満たしていれば問題ありません。労使協定締結後に、当時の過半数代表者が管理監督者になった場合や、退職してしまった場合でも、有効に締結された協定の効力に問題はありません。
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公開日:
労働時間・休日・休日出勤 労務管理