休業(一時帰休)時の住民税特別徴収の取り扱い

現在、弊社では新型コロナ感染拡大防止の緊急事態宣言の影響により一部の事業所を閉鎖しており、パートやアルバイトの方につきましては、全員お休み頂いております。このため、当面の間給与の支払いがありません。

6月は住民税の切り替え時期になりますが、給与の支払いが無い方について、どのように対処すべきでしょうか?
休職の場合には給与所得者異動届出書の提出もあるかと思いますが、このような場合(事業所の閉鎖による休業)でも提出して良いかを教えてください。

回答

住民税につききましては、原則として企業が特別徴収を行う義務がございますが、例外として以下のような場合には普通徴収を適用することができます。

 ・他の事業所で特別徴収している(所得税の徴収における乙欄適用者である)。
 ・給与が少なく税額が引けない。
 ・給与の支払が不定期である(給与の支払が毎月でない等)。

今回ご質問の場合ですと、上記の中の「給与が少なく税額が引けない」に該当するため、給与所得者異動届出書の提出を行った上で普通徴収に切り替えるという対応が可能です。

給与の支払いが無い者について特別徴収を行う場合、企業側は給与による徴収とは別に対象者に対して住民税額を請求し、従業員はこれに応じて企業に毎月の納付額を入金する必要がございます。
従業員の方がこれをご負担に感じるようであれば、一旦普通徴収に切り替えた上で、事業所の閉鎖が解かれ、毎月の給与がきちんと支払われる様になった段階で再度特別徴収に戻すというのがよろしいかと存じます。

ただし、従業員の方に対して、今まで企業側で行っていたものを個人に行って貰うということは、解雇されるのでは等の不安を抱かせる可能性もございます。また、普通徴収の場合1回あたりの納付金額は大きくなりますが、これを従業員の方が認識していない場合もございます。
従業員の方にはきちんと経緯や普通徴収の場合の納付方法等を説明し、納得頂いた上で普通徴収への切り替えを行ってください。

なお、普通徴収収への切り替えは個別に行う必要がある為、休業の期間や人数によっては企業側の手続きが煩雑になる場合がございます。
どの程度の期間を休業とするのか、対象となる方は何名いるのか等を最初に確認し、本当に普通徴収に切り替える必要があるかどうかをご検討の上で対応されることをお勧めします。


◆住民税だけでなく、社会保険料の対応も一緒に考えましょう。

・社会保険料についても、給与所得がない場合の徴収方法を考えておく必要があります。社会保険料は住民税とは異なり、被保険者が直接保険者に収めることは基本的にできません。
・住民税、社会保険料ともに従業員本人から毎月入金してもらうこともできますが、従業員側には期日までの入金と、会社側には期日までに入金があるかのチェックが必要となり、互いに業務量が増えることになります。
・休業期間が短ければ、会社側でいったん従業員分を負担し、給与支払いが再開されたら休業期間中の従業員負担分を徴収する方が、手続きが煩雑にならずにすみます。休業期間が長期に亘る場合は、住民税は普通徴収に切り替え、社会保険料も従業員から毎月入金してもらう方がよいかもしれません。
※「休業手当」を支給している場合は、「賃金」に該当しますので、各種控除の対象となります。


◆普通徴収は従業員の負担感が大きい

・給与を毎月受け取っているときは住民税は特別徴収の方法により毎月の給与から控除されており、1 年分を 12回に分けて納税していることになります。しかし、普通徴収で納税することになると、1 年分を 4 回に分けて納税することになるため、1 回の納税額が大きくなります。そのうえ給与所得がないのでますます負担感が増してしまいます。
・税金の滞納には「延滞税」というペナルティがありますが、特別徴収されているときに意識することは少ないでしょう。納付期限の翌日から延滞税は発生します。また、納付期限を過ぎて放置していると、納付期限から20日以内に督促状が発行され、さらに放置すると「差し押さえ予告書」が送付されてきます。

The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日:

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑