気象災害によって遅刻した時間分の賃金は控除の対象となるのか?

台風や豪雨などにより交通機関が乱れ、遅刻者が続出した場合の対応について教えてください。

 

遅刻した時間分の賃金については控除ということで問題ないでしょうか。

また、就業規則には気象災害が起きた際の扱いについては記載がなかったため、記載したいと考えていますがどのように記載すべきなのか教えてください。

回答

賃金は労働の対価として支払われるものなので、「労働者の責任である」もしくは「労働者と使用者のどちらの責任でもない」遅刻・欠勤など労働しなかった時間分を減額することに問題はありません。もちろん、自然災害を原因とする時にも適用されます。(ノーワーク ノーペイの原則)

敢えて就業規則に明示するならば、「早退、遅刻、勤務途中の私用外出は実労働時間から控除する」、「割増賃金は実労働時間が8時間を超えてから支払う」 などの規定さらに賃金規程に(遅刻・早退控除の対象となる給与額÷月平均所定労働時間)×遅刻・早退時間という計算式を明示する方法があります。就業規則は会社のルールブックなので、会社の運用に即したものを工夫して作成してください。

もうひとつの論点として、個人にとって不可抗力である降雪・台風などの気象災害による遅刻に対して遅刻扱い・賃金控除は酷なのではないかという点があります。
確かに「遅延証明書」を提出することで、遅刻扱いとはしないとする会社もありますが、こちらも会社の規模や地域性などを鑑みたうえで会社が判断してください。
しかし不可抗力の遅刻を「懲戒」とすることは運用上馴染まないと考えます。
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公開日: 労務管理 勤怠・休憩時間

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