外国人従業員の扶養親族も 障害者控除を受けることはできる?

外国人従業員の扶養親族(両親・国外居住・外国籍)が障害者であり、住んでいる国が発行している障害者の証明書を持っているのですが、このような場合でも障害者控除を受けることは可能でしょうか。

 

 

回答

外国人従業員の国外居住親族の方も、要件に該当すれば障害者控除は可能となります。

一般的に障害者控除の対象となるのは、次のいずれかに該当する場合となります。


(1) 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人 (特別障害者に該当)

(2) 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、
知的障害者と判定された人 (重度の知的障害者と判定された人は、特別障害者に該当)

(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を
受けている人 (障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者に該当)

(4)身体障害者福祉法の規定により、交付を受けた身体障害者手帳に身体上の障害がある人として記載されている人
(障害の程度が1級または2級と記載されている人は、特別障害者に該当)

(5) 精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1),(2)または(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
 (特別障害者に準ずるものとして市町村長、特別区区長や福祉事務所長の認定を受けている人は特別障害者に該当)

(6) 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
 (障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人は、特別障害者に該当)

(7) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
   (特別障害者に該当)

(8)その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人 
(特別障害者に該当)

ただし、(2)~(7)は日本の特定の法律に準拠するため、今回のケースでは(1)または(8)に該当するか否かが重要になってきます。

上記(1)または(8)の特別障害者に該当するかの判断するために、お手元にある外国が発行している障害者の証明書を提出してもらいましょう。

また、症状やご両親の状況(寝たきりで生活扶助が必要など)の記載がない場合は、医師の診断書等も準備していただくことにしましょう。

なお、年末調整(確定申告) で障害者控除を適用するにあたっては、障害者であることを証明する書類だけでなく、通常どおり親族関係書類や送金関係書類も忘れないようにしましょう。

もし書類の提出が遅れ、年末調整で障害者控除ができず、ご本人に確定申告してもらう場合でも、ご両親が(1)または(8)に相当する障害を有していることを税務署の担当者が確認できるように、しっかりした書類を準備し、申告をしてもらいましょう。
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