妊娠中の社員からの軽易業務転換請求に対応できない場合

弊社は100人未満の製造業で、このたび、製造部門の社員から妊娠のため軽易業務への転換を希望されました。

この社員は製造補助職なのですが、弊社としてはこれ以上軽易な現場作業はありません。本人としては、作業の際に階段の昇降や部品の棚への上げ下ろしがあるため、気にしているようです。

当人は事務所内での事務仕事を希望していますが、現在事務部門の人員は充足しており、この部門に受け入れることは難しいと考えています。

本人は産休開始までは仕事を続けたいとのことなのですが、この場合どのように対応すべきでしょうか。

回答

まず、妊婦の軽易業務への転換については労働基準法第65条に定められており、使用者は妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければなりません。

この法65条3項は原則として女性が請求した業務に転換させるという趣旨ですが、通達ではそのために新たに軽易な業務を創設する義務まで課したものではないとされています(昭61.3.20基発第151号・婦発第69号)。しかし、この場合でも使用者は軽易業務転換の請求自体を拒否するのではなく、同じ業務のなかの重労働部分を外したり、仕事量を減らすなど仕事のやり方を変えたり、休憩時間を多くするなどの措置をとる必要があります。

本件の場合、社員は既存の事務部門への転換を請求しておりますので原則として請求する事務仕事への転換の必要があります。しかし、人員が充足しており客観的に見ても転換できる軽易な業務がないと言えますので、前述のとおり現職のまま業務内容を軽減する対応で問題ないでしょう。

また、男女雇用機会均等法第13条では妊娠中及び出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その女性労働者が受けた指導を守ることができるようにするために、事業主は勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければなりません。
軽易業務転換を請求した社員が医師等から何か指導を受けていないかにもご留意下さい。

軽易業務転換請求に会社として対応することが出来ない、しかし社員はそれに同意しないということもあるかと思いますが、その際には医師等から上記指導を受けたのちに、会社として必要措置を講じることもご検討下さい。
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SR人事メディア編集部
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