留学生向けの研修
みなさん、こんにちは。
前回は留学生がすぐに辞めてしまうことを予防するため、採用活動の中での解決策を述べました。今回も留学生の日本での就職問題についての話を続けたいと思います。
高松大学経営学部講師の稲井は日本企業に就職した元留学生に対するアンケート調査で、留学生就職に際しての不安要素が主に下記五点があることを示しました。
1、社員とのコミュニケーションがうまくできるかどうか。
2、自分の日本語能力が通用するかどうか、上達するかどうか。
3、将来の展望、キャリア形成がうまくいくかどうか。
4、上昇や出世の機会が少ないのではないか。
5、職場でよい人間関係を作れるかどうか。
留学生は就職する時、以上の不安が抱えていますが、入社後に自然に解消するとは言えません。不安を抱えるまま、新しい環境に入り、ほんの少しの挫折にあったら、その不安感が大きくなりかねません。不安が大きいと、辞めたい気持ちが生じて、すぐ辞めてしまうかもしれません。そのため、前回で書いてあるように、特に留学生をたくさん採用する企業は、会社で安心して仕事ができるように、留学生の特徴に合わせて留学生向けの研修を行うのはいかがでしょうか。
上記五点の不安は、言語と非言語を含む異文化(日本企業)への不適応から生じていると思います。それゆえ、留学生向けの研修は以下の内容を含めれば効果的だと思います。
1、日本企業文化に基づいて会社の独特な企業文化の研修
異文化への適応について留学生にとって避けられない問題です。会社の文化に慣れていないなら、多くの問題が出て来る可能性があります。そのため、会社は日本企業文化と会社の文化を留学生にきちんと説明して、フィードバックし、留学生にとって特に馴染みのないところを両方が一緒に対策を考える必要があります。やはり留学生は、短期間で異文化へ適応することは難しいです。特に最初の段階に、企業側と留学生がお互いに焦ることは禁物です。研修や日々の仕事を通じて、徐々に慣れていくことが大切です。
2、留学生向けのビジネスマナーの研修
稲井氏の研究調査が示すように、日本の新卒入社員でも、「専門用語が分からない」、「ビジネス会話」、「敬語」、「電話対応」など、を使いこなすのに時間がかかります。ましてや、日本語に馴染みのない留学生はもっと時間がかかります。そのため、研修担当者とOJT担当者は、留学生が日本語の熟習に時間がかかることを配慮するのが大事です。
3、社内の(日本人)同僚とのコミュニケーションの仕方の研修
留学生が仕事をすぐ辞めてしまう主要原因は先輩や同僚とのコミュニケーションがうまくできないことです。文化が違うと、コミュニケーションの取り方も違うと思います。企業文化の研修に基づいて、日本人とのコミュニケーションの仕方を留学生に説明すれば、コミュニケーションのずれ違いから生じる職場の人間関係の問題を少なからず解決できるでしょう。
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