【最新版】離職率の高い事業所は監督指導の対象になりやすい!?厚労省『過重労働解消キャンペーン』の平成29年度実施結果を公表、全体の65.9%で法令違反を確認

『過重労働解消キャンペーン』とは

厚生労働省は、平成26年9月30日付けで厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置し、その決定を踏まえ、同年11月に長時間労働の抑制等の過重労働解消に向けた取組として「過重労働解消キャンペーン」を実施することを発表しました。

このキャンペーンの中には、過重労働に関する重点監督の実施が盛り込まれており、労基署による監督が増加することが見込まれます。

(補足)重点監督の対象となった事業場数

キャンペーンの開始時から比較して、重点監督の対象になった事業場は平成29年度では約1.7倍になっています。

  • 平成26年=4,561事業場
  • 平成27年=5,031事業場
  • 平成28年=7,014事業場
  • 平成29年=7,635事業場

 

重点監督の詳細

【監督の対象とする事業場等】
①労働基準監督署及びハローワークに寄せられた相談等を端緒に、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等。

※ 監督指導の結果、法違反の是正が図られない場合は、是正が認められるまでハローワークにおける職業紹介の対象から除外

②長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場

【重点的に確認する事項】

①時間外・休日労働が36協定の範囲内であるか。

法違反が認められた場合は是正指導。

②賃金不払残業がないか。

法違反が認められた場合は是正指導。

③労働時間管理は適切か。

不適切である場合は、労働時間を適正に把握するよう指導。

④長時間労働者はいないか。

いる場合は、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導。

【書類送検】

重大・悪質な違反が確認された場合は、送検し、公表

 

平成29年度実施結果

平成29年度の重点監督では、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる 7,635 事業場に対して集中的に実施されました。

出典:厚生労働表「平成29年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表」(平成30年4月23日発表)

特徴として、平成28年度の重点監督と比較すると殆どの項目で比率が下がっていますが、「賃金不払い残業があったもの」(6.5%⇒7.0%)、「労働時間の把握方法が不適切なため指導したもの」(12.7%⇒16.1%)の比率は上昇しています。

 

労働時間の適正把握が課題

特に「労働時間の把握方法が不適切なため指導したもの」については重点監督を行った事業場のうち2,817事業場では従業員の自己申告によって労働時間を把握していることが判明しました。

長時間労働に対する企業の取り組みが進む中、依然として従業員の労働時間の実態を把握しきれていない企業は少なくないようです。

平成29年1月に策定された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(労働時間適正把握ガイドライン)」では労働時間の適正把握・適切管理は使用者の責務であり、また労働時間を従業員の自己申告により把握することは「不適切な運用」とあります。労働時間の適正把握が大きな課題と言えるでしょう。

 

やむを得ず自己申告により労働時間の確認・記録を行う場合には以下の措置を講じる必要があります。

(ア)自己申告する従業員と実際に労働時間を管理する者に対し、「労働時間適正把握ガイドライン」を踏まえて労働時間を適正に自己申告すること、自己申告制の適正な運用などについて十分な説明を行う。

(イ)使用者は自己申告によって労働時間が適正に把握されているかどうか定期的に実態調査を行う。特に、入退場記録やパソコンのログから従業員が実際に事業場内にいた時間と自己申告の時間との間に著しいかい離が生じている時や、従業員や労働組合等から労働時間の把握が適正に行われていないと指摘があった時にも実態調査を行う。

(ウ)自己申告した労働時間を超えて授業場内にいる時間について、該当の従業員にその理由等の報告をさせる場合にはその報告の内容が適正か否かについて確認を行う。(例えば、休憩や自主的な研修・学習であると報告していても、実際には使用者の指揮命令下にあったと認められる時には労働時間として扱う必要がある。)

(エ)使用者は、従業員の適正な自己申告を阻害する措置を講じてはならず、また従業員が慣習的に労働時間を過少申告していないか確認を行う。(例えば、時間外労働時間の削減のための社内通達や固定残業代といった措置が、従業員の適正な自己申告を阻害する要因になっていないか等。)

 

今回の重点監督の結果は氷山の一角であり、「不適切な運用」になってしまっている事業場は多いのではないでしょうか。職場に勤怠システムを導入することを条件に受給できる助成金もあるほど、勤怠システムの導入は一つの課題になっています。もし、新たにシステムを導入しようとお考えでしたら、無料のシステムを導入することをお勧めします。特に、IEYASU株式会社が提供する「IEYASU」は無料で、その日から使うことができます。また、システム導入はハードルが高いと感じるようでしたら、エクセルで操作できる「簡易エクセル出勤簿」もお勧めです。

 

監督指導事例紹介

平成29年の重点監督で指導・是正勧告の対象となった事例の一部を紹介します。

  1. 36協定で定める上限時間を超えて月100時間を超える時間外・休日労働を行わせていた
  2. 満18歳未満の労働者(年少者)に深夜労働を含む時間外労働を行わせていた
  3. 法定の休憩時間を与えていなかった
  4. 深夜業に従事させる場合の健康診断、さらにストレスチェックを行っていなかった
  5. 会社側が一方的に指名した労働者の代表と36協定を締結しており、36協定が無効であった

 

最後に

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吉田はづき

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入社と同時に数百名規模事業所の勤怠確認業務に明け暮れ、その奥深さを痛感。現在は大手アパレルグループの社会保険手続きに携わりつつ、人事メディアでは「勤怠」に関わる情報を提供します。好きなものは生牡蠣、白子、ホヤ。
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