法改正で知らぬ間に違法に?!就業規則に関わる労働関連法令と就業規則の変更について

 

労働基準法をはじめとする労働関係諸法令は頻繁に法改正がありますが、その法改正内容にしたがって就業規則を修正する必要がございます。

法律の適用というのは厳しいものですので「知らなかった」では済まされません。

この記事では、就業規則の改定に関わる労働関連法令についてまとめ、さらに就業規則の変更が必要な場合の対応についてまとめました。

 

 

職場の労働条件に関わる、労働に関する法律

 

○労働基準法(労基法)

法定労働時間など、会社が順守する最低の労働基準が定められている

 

○労働契約法

労働契約、就業規則の変更などに関する基本的な事項が定められている

 

○労働安全衛生法(安衛法)

安全衛生管理体制、機械や危険物に関する規制などが定められている

2015年12月に施行が始まったストレスチェックの義務化はこの労働安全衛生法改正によるもの

 

○育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)

育児・介護を行う労働者に対して事業主が講ずるべき措置について定めている

 

○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

(男女雇用機会均等法)

募集・採用、配置、昇進などについて、性別による差別的取り扱いの禁止を定めている

 

○雇用対策法

募集採用における年齢制限の禁止、外国人雇用状況の届け出について定めている

 

○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)

定年の引き上げや継続雇用制度の導入等に関することが定められている

 

○障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)

障害者の雇用に関する事業主の責務について定めている

 

○短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート労働法)

パートタイム労働者の待遇を通常労働との均衡のとれた待遇にすること等を定めている

 

○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

 (労働者派遣法)

派遣労働者を受け入れる職場(派遣先)が講ずるべき措置についても定められている

 

 

 

就業規則の変更が必要になった場合の対応

 

就業規則の変更は主に6つのステップに分けることができます。

 

① 就業規則 変更案の草案作成

人事部や総務部などの担当部署が、就業規則に加える変更について、検討・決定します。

正社員のほか、パートやアルバイトといった非正規労働者がいる場合には、適用される従業員の範囲を決めることも必要です。

その後、法律に抵触する部分がないか、法務担当者などによる確認を行います。

 

② 経営陣の決済を得る

作成した草案に問題が無ければ、代表取締役社長から決済を得る、取締役会で承認を受けるなど、

就業規則変更の権限を持つ経営陣の決裁をもらいます。

(就業規則変更に際して 法的に必要になるのは③以降の工程)

 

 

③ 労働組合に意見を聞く

 

就業規則を変更するためには、労働基準監督署長への届け出が必要となりますが、届け出の際に、労働者の過半数の代表者の意見を聴取し書面にまとめた意見書を併せて提出しなければなりません。したがって、まずは、労働者の過半数が加入する労働組合に、決裁を受けた変更内容についての意見を聞きましょう。

 

【 疑問 】誰に意見を聞くのか?

 

意見を聞く対象は、労働基準法により以下のように定められています。

 

《労働基準法90条》
使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、

労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、

労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては

労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

 

労働組合がない場合には、従業員の過半数が支持する人が代表者となることが求められますが、以下のような従業員を代表者に選ぶことはできません。

 

・監理・監督の立場にある従業員

・経営者側の指名によって選任された従業員

 

従業員の話し合い、あるいは持ち回り決議や投票によって、立候補者から代表者を選ぶ、等といった方法で代表者を選任してください。

 

 

【 疑問 】従業員の同意を得られなかった場合、就業規則の変更ができないのか?

 

意見を聴く際に、労働組合または労働者の代表に変更内容についての同意を得られなかった場合についても、就業規則の届け出を行うことが可能です。

労働基準法で義務づけられているのはあくまでも「意見を聴くこと」であり、同意を得ることではないため、異議や意見ありとして提出した就業規則でも、労働基準監督署により受け付けてもらうことができます。

 

 

④ 変更内容についての意見を「意見書」としてまとめてもらう

 

意見書には、決められた書式はありません。各都道府県の労働局や社労士事務所などのホームページで、就業規則届などとともに無料フォーマットを提供している場合があるため、フォーマットを利用して作成する方法も有効です。

 

意見書に定められた様式はありませんが、盛り込むべき項目があり、以下の4つの項目を記入する必要があります。

 

【 労働組合の有無 】

意見書の提出目的は、労働者側が提出する就業規則の内容を確認したことを証明するためです。そして、意見を述べる労働者側とは、労働基準法90条によれば、以下のように定められています。したがって、意見書には、まず「事業所内に労働者の過半数で組織する労働組合が存在するかどうか」を記載する必要があります。

 

 

【 労働組合名・労働者代表名 】

事業所内に労働者の過半数で組織する労働組合が存在する場合は、その証明として組合名を記載します。一方、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の代表者名を記載します。なお、労働者の代表者名を記載する場合は、選出方法もあわせて明記する必要があります。

 

【 意見の詳細 】

労働者側、つまり労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の代表者に就業規則の内容を見せ、確認した上での意見を記載してもらう部分となります。就業規則の内容に同意する場合は「異議なし」を、何らかの意見が生じる場合はその旨を明記します。

 

【 意見書の作成日 】

就業規則を確認し、意見書に意見を記載した日付を記載します。これは、確実に労働者側の意見を聞いたという証明となる日付になるため、必ず書かなければならない部分になります。

 

 

⑤ 所轄労働基準監督署長に提出する

 

就業規則を変更した場合の届け出は、就業規則の作成義務がある会社の場合は義務となります。(常時10人以上の労働者を雇用する会社には、就業規則の作成義務がある:労働基準法89条)就業規則を変更する際には、以下の資料を所轄労働基準監督署へ提出しなければなりません。

 

■ 就業規則変更届

■ 意見書

■ 変更後の就業規則

 

それぞれの書類を2部ずつ用意します。

所管の労働基準監督署の窓口で変更を届け出ると、各書類の一部は控えとして返却されます。

郵送で届け出をする場合には、返却用に切手を添付した返信用封筒を同封しましょう。

 

⑤ 変更の周知

就業規則の届け出・受理がなされたところで、次は会社に勤める労働者に対して変更内容の周知を行います。就業規則を変更した場合、会社は、従業員に周知を図ることが義務付けられています。この周知は、意見書を記載する際に聴収した労働者側の代表のみならず、すべての労働者が対象として周知する必要があります。

事業所内の見やすい場所に掲示するか備え付けるほか、書面で従業員に交付する方法もあります。また、電子的データとして保存し、従業員が事業所内に設置されたパソコンで閲覧できるよう整備をするのも方法のひとつです。

 

 

まとめ

 

労働基準法をはじめとする労働関係諸法令は頻繁に法改正があります。

その法改正にあわせて就業規則を改定していなければ、知らぬ間に法律違反をおかしていた、という事態も起こりえます。

法改正の情報を随時チェックすることはもちろん、その改正内容が就業規則のどの箇所に影響を及ぼすかを確認したうえで、適切に就業規則を改定しましょう!

 

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