女性管理職の数値目標 設定・公表を義務付けへ
ニュース概要
臨時国会への提出が予定されている女性の活躍を推進する法案で、大企業に対し、女性の登用に関する「数値目標」の策定を義務付けることが7日の厚生労働省の審議会で了承されました。
具体的には、管理職や新規採用者に占める女性の割合など、女性の登用に関する「数値目標」を盛り込んだ行動計画を作り公表することを、従業員301人以上の大企業に義務付けるというもの。業種によって状況が違うことに配慮し、すべての企業に一律の数値目標を命じることはせず、目標とする項目や割合については各企業に委ねられるとのことです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141008-00000110-san-bus_all
女性管理職登用のメリット
上記のように、政府は女性の管理職登用を推進する動きをとっていますが、女性を管理職に登用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず1つ目としては、マネジメント層に多様性を導入できることが挙げられます。消費者ニーズだけではなく、社員のモチベーションの源泉も多様化している今日においては、さまざまな視点でマネジメントを行う必要性が高まっています。マネジメント層が、いわゆる従来の「男社会」では、そのような状況に適応できません。
次に、若手の女性社員のモチベーション向上です。女性が管理職に登用されることで、女性社員にとってのロールモデルが出来上がります。その存在は、「私もあの人のようになりたい!」というキャリアアップに対するモチベーションの源泉となるでしょう。
そして、働きやすい職場環境を社会にアピールすることにもつながります。女性管理職の存在は、「頑張る人が報われる」「福利厚生がしっかりとしている」「社員を大切にする」といった企業イメージを構築し、男女を問わず優秀な人材を採用できる可能性を高めます。ブラック企業が問題視されている今、女性管理職は企業のイメージアップに大きく寄与するのです。
女性管理職登用が進まない意外な理由 ―女性が管理職を「引き受けない」・・・?
政府は管理職などに占める女性の割合を2020年までに30%に高める目標を掲げていますが、現状は6.6%(13年度)にとどまっています。
女性は家事、男性は仕事という昔からの日本の風潮の影響で、女性が社会進出したいと思っても妨げられていることが原因ではないかと一見思われますが、実は意外な理由も考えられます。女性が管理職になることを打診されても「引き受けない」ということが少なからずあるようです。
管理職を引き受けたくない理由としては、
①子育てとの両立が難しい
②出世に興味がない
③身近にいる男性管理職のように働きたくない、働けない
④自分の会社にロールモデルがなく不安
などといったものがあるとのこと。
社会でもっと活躍したいのにも関わらず差別的な対応を受けて管理職になることができないという場合は、政府による義務付け等の啓蒙的な働きかけで改善が期待できますが、そもそも女性自身が管理職になることを望まない場合はそのような働きかけだけでは簡単に解決することは難しいでしょう。
仕事と家庭を両立しながら働くことができる仕組み作りや、管理職は業務量や労働時間が多くなり過酷であるというマイナスイメージの払拭、管理職になることへの不安を軽減するための研修制度の導入等も必要になると考えられます。
管理職に占める女性の割合を増やすには時間や労力がかかる可能性がありますが、企業にとっては上記のようなメリットがありますし、助成金制度も設けられています。(助成金についてはこちら!) 今回の法案成立の動きを受けて、今から女性の管理職登用に向けた対策を始めてみてはいかがでしょうか。弊社では制度設計、助成金申請代行を含め、人事・労務に関するご相談を幅広く受け付けております。お気軽に下記「無料労務相談のお申し込み」よりお問合せ下さい!
船水 希恵
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