えっ!?今話題の「朝活」は東京都や話題の企業も取り組んでいて、社員も企業も得する上に脳科学的にも大正解なんですか!?

 

「時差Biz」「朝方勤務制度」など、従業員の健康管理に業務効率化、残業時間の短縮から通勤ラッシュの緩和までを期待されている「朝活」

 

朝の方が頭が働くから
朝の方が人混みも少ないから
朝の方がなんか良いって聞くから

 

なんとなく「朝活は良いもの」というイメージだけ持っていませんか?
実際にどのような朝活が行われているのか、朝活がいいという根拠はどこにあるのか、朝活によって生活はどのように変わるのか。
今回はどこかで聞いたことあるけど有耶無耶になっていた、そんな「朝活」についてまとめてみました。

 

 

 

1. 企業も東京都も取り入れる「朝活」

 

 

①通勤時間の満員電車をゼロにする「時差Biz」

 

 

 

時差Bizとは東京都が主催となって行われている、通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらすという働き方改革のひとつになります。
毎朝の通勤ラッシュ、本当に辟易しますよね。
そこで社会全体の生産性向上のため、混雑の時間を避けて朝はやく出勤することを推進するという趣旨で、「朝活」が注目されております。

 

7月6日に行われた第2回快適通勤プロモーション協議会においては、小池知事より時差Bizについて改めて説明があり、東京都交通局や東京地下鉄株式会社、小田急電鉄株式会社など12の鉄道事業者と、日本航空株式会社や日本マイクロソフト株式会社、三井物産株式会社など9社の企業が時差Bizへの参加の意を表明し、具体的な取り組みに関して発表を行いました。

 

実際に東京都では2017年7/11~25までの平日に限り、「朝活応援・時差Bizキャンペーン」というものも開催されており、時差Bizを推進するため鉄道会社によって以下のような取り組みがされました。

 

 

・ポイント付与:朝の指定の時間帯に、改札または専用機へのタッチ、駅の売店、指定の列車などを利用した人に対しポイントを付与。ポイントにより景品が当たる
・混雑の見える化:スマートフォンのアプリや鉄道会社のホームページ、駅のポスターなどで混雑情報を発信
・着席サービス:指定のチケットを購入することで、通勤時間帯でも座って通勤可能に
・臨時列車の運行:時差Biz期間中に通常ダイヤにない列車を臨時に運行
・広報の協力:時差Biz周知のため、駅におけるポスターの掲示やリーフレットの設置などを行う

 

 

現在もキャンペーン後の時差Biz利用者アンケートや参加企業への報奨制度が始まり、10月には第3回快適通勤プロモーション協議会が開催される予定となっております。
キャンペーンの次回開催はあるのか、東京以外にも広がっていくのか。今後の動向にも目が離せません。

 

 

②「朝型勤務制度」で健康増進、コストも削減!?

 

 

伊藤忠商事が、「朝型勤務制度」を2013年10月より導入したことが話題になりました。

 

以前には働き方改革として10:00~15:00までをコアタイムとしたフレックス制度を導入した同社ですが、「朝は10時に出勤すればいい」という風潮が社内で広まり、結果として9時出社している取引先の電話に担当者が出られないというような状況が多発しました。
一方で残業時間は減ることはなく、社員の健康管理のためにも、働き方を変えるには社員の意識改革が必要ということで朝型勤務制度が導入されたそうです。

 

具体的には以下のような取り組みを行いました。

 

 

・22:00-5:00の深夜勤務の禁止
・20:00-22:00の事前申請のない勤務の禁止
・8:00前に始業した社員に対し軽食を支給
・5:00-8:00早朝勤務時間にはインセンティブを支給

*8:00前より勤務を開始していた場合は、8:00~9:00の間にもインセンティブを支給

 

 

早朝勤務に対するインセンティブは、深夜勤務と同じ割増賃金です。
つまり、8時間働いた後に3時間に時間外勤務を行えば、余剰に働いた時間は通常賃金の1.25%が支払われますが、就業前3時間の時間外勤務を行えば、その時間は通常賃金の1.50%が支払われるということ。

 

 

<計算モデル>

 

従来 : 8時間×1 + 3時間の時間外勤務(18:00~21:00)×1.25 = 時間単価×11.75の賃金支払

朝活 : 8時間×1 + 3時間の時間外勤務(6:00~9:00)×1.50 = 時間単価×12.5の賃金支払

 

賃金というわかりやすい数値で朝活のメリットが提示されているので、夜遅くに帰宅するより積極的に朝早く出勤しようという気持ちにもなりますね。

 

また、朝ごはん支給制度に関しては、導入している企業は他にも複数ございます。
考慮しているのは、朝ごはんを抜くことで脳のエネルギーが不足してしまい、集中力や記憶力が低下してしまうということ。
職場で朝ごはんを支給してもらえるのであれば、「朝ごはんを抜いて朝はギリギリまで寝ている」という状況よりも業務が捗りそうですね。

 

 

このような朝型勤務制度の導入によって、伊藤忠商事では導入後3年で8時以前の出社が約20%から約45%と2倍以上に増加している反面、20時以降の退社は約30%から約5%に激減。

 

1人当たりの時間外勤務時間は約15%減少した上に電気代も削減されたそうで、早朝勤務時間のインセンティブを差し引いたとしても、社員のみならず母体である会社全体でもコスト削減という恩恵がありました。
もちろん取引先の電話に出られないなどということもございません。

 

 

 

このように様々な角度から注目を集める「朝活」。
同じ時間業務をしていたとしても、その密度や脳の働きには差があることが脳科学でも注目されております。
では、「朝活」には具体的にどのような効果があるのでしょうか。

 

 

 

 

2. 無駄にしていませんか?毎朝3時間の「脳のゴールデンタイム」

 

 

 

 

朝目覚めてからの約3時間は、脳が最も効率よく働く「脳のゴールデンタイム」だと言われております。
「脳のゴールデンタイム」と言われる所以は、人の記憶の仕組みにあります。

 

 

1日の間に起こった出来事や得た情報は脳内の「海馬」に一時的に収納されます。
その後、その中から必要な情報だけを精査して脳の大脳皮質に送り、長期的な記憶として定着させていきます。
この精査を行うタイミングが睡眠をとっている間であり、朝目覚めた直後の脳は非常に整理整頓された状態になっております。

 

 

人は意識していなくても、生活音などからでも情報を蓄積していき、脳は起きてからの時間の経過とともに疲労をも蓄積させていきます。
そのような意味で、脳がクリアな朝に創造的だったり複雑な業務を行うことが推奨されております。

 

 

集中力の限界!起床後13時間で作業効率が落ち、15時間で酒気帯び運転!?
こちらの記事もあわせてご覧ください。

 

 

 

また朝は扁桃体を活性化し、それが海馬をも活性化させるといいます。

 

偏桃体とはストレスや不安を感じ取る神経細胞の集合体です。前日の夕食から何も摂取していない状態では、脳のブドウ糖が欠如しており、これが脳内では危機状態と判断されます。
そこで偏桃体が活性化され、いち早く危機から脱するためストレスホルモンが分泌されるために、偏桃体とつながっている海馬をも活性化されるわけです。

 

 

しかしこれでは、「起きてすぐが1番頭が働く時間」という意味にも解釈することができます。
そうなると、昼夜逆転の生活をしている方=夜起きる方には、わざわざ生活習慣を変えるまでの魅力を朝活には感じないのではないでしょうか。

 

では、具体的に朝だからこそ受ける恩恵はあるのでしょうか。

 

 

 

 

3. 朝日を浴びると幸せになる?幸せホルモン「セロトニン」との付き合い方

 

 

 

 

「朝活」というと業務効率化もさることながら、早起きして自分の時間に充てたいという方も多いと思います。
間延びしがちな深夜に比べ、業務時間までという限られた時間で集中力が高まるということもあるでしょう。

 

時間が限られているという理由以外にも、朝の時間を業務や勉強に充てる等の有効活用をすることには下記のようなメリットがあるのです。

 

 

①セロトニンが不足するとうつ病になる!?

 

 

太陽の光を浴びると、θ(シータ)波の出現を抑制する「セロトニン」という物質が生成されます。
一方、θ波は海馬を活性化して記憶の形成や取捨選択をする周波です。つまりセロトニンは記憶の整理を邪魔する物質なのです。

 

あれ、早起きしない方が業務が捗りそう…と思いますが、セロトニンには他にも効果がございます。
それは精神面を安定させるということ。セロトニンは心身の安定や心の安らぎなどにも関与することから、「幸せホルモン」とも呼ばれております。

 

 

具体的にセロトニンとは、「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」と並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質で、セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れて、暴力的になったり、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすくなると言われています。

 

 

業務は効率的に行いたい、でも心身のバランスは崩したくない。
両立のために必要なのはセロトニンとうまく付き合っていくこと。その近道の一つが「朝活」なのです。

 

 

 

②メリハリのある生活で健康&業務効率化!

 

 

心身の健康のためにはセロトニンを活発にすることが必要。頭を働かせるためにはセロトニンの働きを抑えることが必要。

これらを両立するためには「休む時は休む、働くときは働く」というメリハリが何よりも大切になります。
そして効率よくメリハリをつけるために「朝活」が注目されるのです。

 

先述した通り、セロトニンは太陽の出ている昼間に分泌されやすく、体内時計を調整して脳の覚醒を促します。

 

昼夜逆転の生活をしていたり、日中部屋の中にばかりいて太陽光を浴びないと、体内時計が狂ってしまうため、心身に影響を及ぼしてしまいます。
陽の出ている時間に活動した方が効率よくセロトニンが分泌され、心身も体内時計も脳も正常に働くということですね。

 

 

因みに、リラックスした状態や食事などのリズム運動中でもセロトニンは活性化されます。
音楽を聴きながらやガムを噛みながらでは集中力が散漫になってしまいますので注意しましょう。

 

 

では、セロトニンの働きが弱くなるのはどのような状況でしょうか。
それは、物事への集中力が高まった時と、レム睡眠中です。
特に睡眠中はセロトニン神経の働きがほとんど無くなり、脳内で記憶の整理と長期記憶の定着が行われることとなります。

 

 

以上を総括しますと、以下2点が「朝活」が注目される要因と言えるでしょう。

 

 

①朝早く起きて日光を浴びる
→セロトニンが分泌され脳の覚醒健康増進を促す
②脳のゴールデンタイムを活用する
→脳がクリアな状態で効率的に業務や勉強を行うことができる

 

 

 

 

4. 早起きで3文の得をしたいですか? おわりに

 

 

「早起きは3文の得」ということわざがあります。
「早く起きるとちょっとした得(あるいは徳)がある」でしたり「早起きしたところでさほど得しない」などと様々な意訳がされております。

 

 

その由来にも所説あるようですが、一説では奈良に起源があるというものがございます。

 

古来より奈良では鹿は神の遣いと考えられており、家の前で鹿の死体が発見された場合にその家主は3文の罰金を徴収されたといいます。
それは野生の鹿が家の前で行き倒れていたという状況でも変わりません。
ですので、朝早起きをして家の前を掃除することで3文の得をしたということです。

 

 

因みに1文を現在の通貨価値に換算すると約25円程度になり、3文なら75円ということになります。
1日75円なら1週間で525円、1か月で2250円、1年で27375円…
この金額を高いと考えるか安いと考えるかは個人の価値観によりますが、このことわざには続きがあるという説があります。

 

 

 

「早起きは三文の得、夜なべは十両の損」

 

 

 

1両=4000文ですので、1文=25円であるなら10両=1万円です。
75円の得とは異なり、1日で1万円も損をするというのはなるべくなら避けたい方がほとんどではないでしょうか。

 

「朝活」の本質は「夜早く寝る」というところに実はあるのかもしれませんね。

 

 

 

とはいえ早起きの習慣は一朝一夕ではつかないもの。
早起きのストレスで脳が働かないということも考えられますが、一度慣れてしまえば早朝という特異な時間に魅了されることもあるかもしれません。
早く寝て早く起きるという可能性を一考してみてはいかがでしょうか。

 

 

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Ari

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大学では主に民事法について学んでいました。現在は社会保険手続きや給与計算業務に携わりながら、業務効率化のためのツールを開発しております。趣味は読書。某小さくなった名探偵マンガの主人公の書斎を再現することが夢です。
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