「プレミアムフライデー」開始間近!!期待?不安?

電通の女性社員が過労自殺したことから、長時間労働への注目が集まりました。ネットから生の声が聞こえてきますが、さまざまな業界の「休めない」「休ませてくれない」実態が浮き彫りになっています。

ここで、働き方改革の為に、政府が行っている様々な取り組みを取り上げてみましょう。

安倍晋三首相は今月15日開かれた政府の経済財政諮問会議で、毎月最終金曜の終業を午後3時とする「プレミアムフライデー」を活用した消費の活性化を指示しました。プレミアムフライデーは2月24日に始まりますが、首相は政府職員にも早い時間の終業を促し、旅行や買い物などの消費にあてるよう求め、低迷する内需の強化に官民挙げて取り組んでいきます。首相は会議で、プレミアムフライデーを「政府においても、できる限り多くの職員が楽しめるよう工夫する」と述べていました。

http://www.sankei.com/politics/news/170215/plt1702150024-n1.html

 

皆さんは、「プレミアムフライデー」について、ご存じですか?「プレミアムフライデー」について、知っていきましょう。

 

「プレミアムフライデー」とは?

個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、

(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる

(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる

(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

といった効果につなげていく取組です。

官民で連携し、全国的・継続的な取組となるよう、この取組を推進するための「プレミアムフライデー推進協議会」が設立されました。2016年12月12日、第1回会合が開催され、実施方針・ロゴマーク等が決定しました。また、本取り組みを進めるに当たっては、働き方改革などライフスタイルの変革ともあわせて推進してまいります。

 

プレミアムフライデーの実施方針

(1) 実施時期

平成29年2月24日(金曜日) (2回目以降も「月末」の「金曜日」を軸に実施)

(2) 実施主体

買物・観光・ボランティア・家族との時間など、多くの方が「生活の豊かさ」や「幸せ」を感じられるよう、付随する商品・サービス、イベントなどを地域・コミュニティ・企業等で検討

(3) 対象地域・業種

全国各地で、業種にとらわれずに実施

(4) 実施期間

金曜日を核とし、金曜日から日曜日の3日間とするなど、柔軟に設定

 

 

導入企業

ここで、導入企業を紹介いたします。

百貨店

三越伊勢丹ホールディングスではプレミアムフライデー限定のイベントが用意されています。伊勢丹新宿本店では、本館7階レストラン街「イートパラダイス」で、バル感覚で食べ歩き、飲み歩きができるイベント「週末めぐらナイト」を開催します。

レストラン・飲食店

ファミレスのデニーズでは、2017年2月24日の15時~24時に、メニューには載っていない特別メニュー「山盛りポテト」を税込106円(税抜99円)で注文できます。1人1点限りで500円以上の店内料理を注文した方が対象です。

ホテル

「京都ホテルオークラ」では、レストラン、宿泊、ウエディングでプレミアムフライデー特別企画が開催されます。レストラン「オリゾンテ」では、ディナーバイキングにプラス1,188円(税・サ込)で「ローランペリエ」のシャンパンを好きなだけ飲めます。また、2月、3月の金曜日宿泊限定の特別プランが用意されます。16階スイートルーム宿泊と館内レストランで使える10,000円分の利用券付きとなっています。

京都ホテルオークラは京都駅前のラウンジも便利です。ダイナースクラブカードを保有していると利用でき、宿泊時は手荷物宅配も可能です。

And more……

目的

働き方改革へ

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プレミアムフライデーの目的は、「長時間労働の是正」と、「停滞する個人消費の拡大」にあるとされています。まず、昨今、労働者(従業員)の長時間労働によって、メンタルヘルス、過労死、過労自殺など、多くの労働トラブルが起こっています。

さらに、ブラック企業では、労働者(従業員)に長時間労働をさせても、残業代を払わず、サービス残業が横行しています。

長時間労働という過酷な労働環境を是正し、業務災害、労災などの労働問題を減少させることがプレミアムフライデーの主たる目的です。プレミアムフライデーによって、労働時間が減少し、労働者のストレスが減少するなど、労働者(従業員)にとっては大きなメリットがあります。

 

経済効果へ

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これに加えて、月末の金曜日に早帰りすることができれば、15時(午後3時)からは自由になるわけですから、映画、ショッピング、週末旅行など、労働者がさまざまなレジャーを楽しむことができます。個人消費が拡大し、経済が活性化するのではないか、というのが、プレミアムフライデーの2つ目の目的です。

生活の豊さへ

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労働者個人の生活に「豊かさ」を与えるためのものですので、消費だけでなく、ボランティアや家族との団らんに使用するというのもよいでしょう。いつもの週末では行けない場所に遊びに行き、新しい経験をすることで活力が生じて、かつ人生が豊かになる可能性が生じます。

 

まとめ

このように、少なくとも個人消費のアップは確実に起こるプレミアムフライデーですが、現状の労働環境でこれを行うには、労働時間の問題や仕事の配分、それにともなう残業または別日の仕事の負担増といった課題があります。単純に労働時間が減りますから、その分他のところに負担がきますし、企業によっては給料を減らされる可能性もあります。

ただ、労働環境の問題が取り沙汰されている今、少しでも弊害を取り除いた上で実行していくほうがよいと思います。

では、2月24日の初回実施はもうすぐ!よりよい制度になることを願って、その動向を見守りましょう。

 

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