入社の混雑な時期に知らなければならない手続き!!!

四月の現在は、新入社員がやってくる季節の到来です。新しい人材を受け入れる準備はできていますか?

人を雇用するわけですから、当然、さまざまな事務的手続きが発生します。

給与計算は毎月定期的に行われる実務ですが、社員の入社があった場合には、給与計算を開始する手続きが必要になります。

特に四月新入社員の混雑時期なので、ここでは、給与計算に関連する入社の事務手続きについて説明していきます。

 

入社時必要な手続き

社員を雇い入れる場合には、賃金や労働時間といった労働条件を明示しなくてはならないと労働基準法により定められています。

この労働条件は、「雇用契約書」に盛り込むか、あるいは「労働条件通知書」などの書面で交付することが必要です。その際、最低限必要な項目が「絶対的明示事項」とされ、以下の各項目となります。

1.労働契約の期間に関する事項

2.就業の場所および従事すべき業務に関する事項

3.始業および終業の時刻

4.所定労働時間を超える労働(残業・休日出勤)の有無

5.休憩時間・休日・休暇に関する事項

6.就業時転換(交替勤務)に関する事項(シフト勤務がある場合)

7.月例給与に関する事項(決定、計算、支払方法・締切日・支払日)

8.退職に関する事項(解雇に関する事項を含む)

 

 

社会保険の資格取得手続き

 

●健康保険・厚生年金保険

新入社員が入社した場合、5日以内に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を社会保険事務所、または健康保険組合、厚生年金基金に提出します。この届には基礎年金番号や氏名などが正しく記入されているかどうか、年金手帳などと照合して確認します。

また、扶養親族がいる場合には「健康保険被扶養者(異動)届」とその証明書もあわせて提出します。配偶者を扶養している場合には、「国民年金第3号被保険者資格取得届」の提出も必要です。

 

●雇用保険

新入社員が入社した日の翌月10日までには、「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークに提出します。

添付書類として、前職の会社での「雇用保険被保険者証」の他、資格取得届の提出が大幅に遅れてしまうと、「労働者名簿」「出勤簿(タイムカード)」「賃金台帳」「雇入通知書(雇用契約書)」などが必要になる場合があります。

ただし、1週間の所定労働時間が20時間未満で、6カ月以上雇用する見込みがない場合には、この対象となりません。

 

 

税金関係の手続き

 

●源泉所得税関連

最初の給与支給日までに、必ず「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を新入社員本人に提出してもらいます。

この申告書がないと、扶養親族等の数を把握できず、源泉所得税の額を決定できないからです。

仮に、この申告書がないと、税額表の「甲欄」ではなく「乙欄」が適用されてしまいます。乙欄に従った税額はかなりの高額ですので、この手続きを忘れると新入社員本人にとっても不利益になってしまいます。担当者はしっかり注意したいところです。

また、前職の会社から退職時に「源泉徴収票」を発行されているはずですので、それを受け取って保管します。

年末調整の時に、すでに源泉徴収されている所得税や社会保険料の額を参照する必要がありますので、これも忘れてはいけません。

 

●住民税関連

転職者の場合、前職の会社を退職する際に、まだ支払っていないその年の住民税の残額を「一括徴収」にするか「普通徴収」にするかを選択しているはずです。「一括徴収」を選択している場合には、その年の住民税はすでに払い終わっていますので、新たに給与から控除する必要はありません。

「普通徴収」を選択している場合は、そのまま本人が住民税を納める普通徴収を継続するか、給与からの控除する「特別徴収」に切り替えるかをさらに選択できます。会社の方で手続きが必要になるのは、特別徴収への切り替えを希望された場合のみです。その場合は、「普通徴収から特別徴収への変更依頼書」を、社員が居住する市区町村に提出します。

それを受け取った自治体からは、新たな「納税通知書」が送られてきますので、そこに記載されている住民税額を毎月控除して納付することになります。

 

新入社員に関する手続きは、以上になりますが、いかがでしたか? 結構、いろいろな事務的作業が生じますよね。

会社を選んで入ってきてくれた新入社員が、安心して仕事に打ち込める環境を整えておきましょう。

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