社会保険、扶養の条件は? 健康保険の扶養条件を解説

こんにちは。来月からSRに入社予定の林です。インターン生として、運用グループで社会保険の手続きを手伝っています。今回社会保険について、書きたいと思います。

 

 

扶養家族といっても、配偶者や子どもに両親ぐらいで間違えようがないと思う方も多いかもしれません。しかし実は、扶養家族の「基準」が複数存在しているため、勘違いや間違いをしやすい部分なのです。間違った処理を最初にしてしまうと、後々の訂正が非常に面倒な作業になってしまいます。

 

事前にしっかりと「扶養」について学んでおくことが、実は手間を省くことにつながります。ここではよくある疑問を含め、解説していきたいと思います。

 

1.社会保険上の被扶養者の範囲は?

社会保険には、健康保険等の医療保険、厚生年金や国民年金といった年金保険、介護保険、雇用保険、それに労災保険といわれる労働者災害補償保険と5つの種類があります。

「扶養」といったものを基準に考えますと、社会保険は大きく2つに分けることができます。それは「健康保険」と、「厚生年金」です。

今回は健康保険について、まとめました。

まず、健康保険については、組合ごとにルールが異なる部分が大きいため、一般的な全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)を前提に説明していきます。

健康保険組合に加入されている場合は、加入している健康保険組合に内容を照会されてから適正な処理をする必要があります。

このように健康保険上の被扶養者の範囲は非常に幅広いものとなっています。

 

2.健康保険上の被扶養者の条件とは?

一般的に被保険者の収入によって生活を行っている家族が、被扶養者となります。

「家族」であれば誰でもいいというわけではないということが、話を複雑にしています。

まずは、被保険者と同居しているかどうかが判断基準となってきます。

 

(1) 同居していても別居していても関係なく被扶養者となる人

・配偶者(内縁関係であっても可)

・子(養子でも可)、孫、弟、妹

・父母や祖父母といった直系尊属(尊属とは、父母と同列か、父母よりも目上の血族をいいます)

 

(2)同居が条件となる人

・兄、姉や、叔父・叔母といった3親等内の親族

・内縁関係の配偶者の父母や子

 

ただし、次に該当する場合は一時的な別居ですので、同居しているものと考えます。

 

・病気で入院している場合

・施設などに入所している場合

・転任に伴い新任地における住宅事情のため2~3ヶ月別居している場合

 

3.収入条件について

 

被扶養者として認定されるには、2)の条件に加えて「収入」が条件となります。

 

(1) 同居している場合

年間収入が130万円未満であって、かつ被保険者の年間収入の半分未満の場合は、被扶養者に該当します。

この「130万円未満」という金額は、60歳以上であり、障害厚生年金に該当するほどの障害がある人の場合は「180万円未満」と金額が緩和されます。

また、仮に被保険者の年間収入の半分よりも収入が多くても、130万円未満で被保険者の収入を上回らない場合は、被扶養者に該当します。

 

(2)同居していない場合

年間収入が130万円未満であって、かつ被保険者から受け取っている援助(仕送りなど)の合計額よりも、年間収入が少ない場合は被扶養者に該当します。

 

 

まとめ

「扶養」といった言葉を聞いて分かったつもりでいると、本当は「被扶養者」であるにもかかわらず間違って被扶養者から外してしまっていたというミスが起きがちです。

しかも、被扶養者に関する手続きは、採用時はもちろん、結婚、出産、退職といったイベントごとや、年末に見直す程度でそれ以外はあまり見直さないことが多いと思います。

一度誤って処理してしまうと、しばらく誤ったままで処理が継続されてしまうため、後々大変面倒な訂正作業が待っています。

今回の記事を読まれたことを機に、時間があるときにゆっくりと「扶養」について考えを整理されてはいかがでしょうか。

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