組織の戦略で失敗を生む要素とは?
今回は、私が以前も紹介した「失敗の本質」という本から、組織が失敗しないために注意しなければいけないこと、をいくつか挙げていきます。
誰もが一度は感じたことがある、もしくは経験があることなのではないかと思います。
1、客観的で冷徹な戦力分析、戦術的な根拠を持たずに情緒的な空気に流される。
これは違う言い方でいうと、しっかりした分析をせず根拠を持たずに「大丈夫だろう」と思い込んでしまうということです。
本書の中で書かれている大東亜戦争(太平洋戦争)についても、軍事的に勝てる見込みのないはずの戦争だということは、戦後の分析によって明らかになっています。
なにせ、アメリカ、ソ連、イギリス、オランダ、中華民国を相手にしていたのですから。
しかし日本軍は勝てるという思い込みをし、準備段階ですでに失敗していたと言っていいでしょう。
2、戦力の合理性
人は時として、自分に都合のいい情報だけに意識がいってしまう時があります。皆さんも少しは心当たりがあるのでは?
しかし組織となると、これでは戦略の合理性は損なわれてしまいます。
本書には、「事実を冷静に直視し情報と戦略を重視するという米軍に対して、日本軍は事実よりも自らの頭の中だけで描いた状況を前提に情報を軽視し、戦略合理性を確保できていなかった」と書いてあります。
3、組織学習ができていない
大東亜戦争中の日本軍は、たとえ勝つ見込みのない戦いだったとしても、戦略を見直し検証分析し、それなりの戦い方ができたはずですが、それをしませんでした。
組織の学習能力は、環境変化に適応し戦略を進化させるために不可欠です。
失敗の原因をしっかり検証しなければ成長はありません。次もまた同じ失敗を繰り返すでしょう。
こうやって見ていくと、個人の成長に関しても同じことが言えるようにも感じますが、組織単位で考えてもこういったことの積み重ねが大きな失敗に繋がると思います。
分析、戦略、学習。この必要不可欠な3つの要素は常にしっかり機能するようにマネジメントにしておきましょう。
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