求める人材を狙い撃ち! 採用におけるキャラクタライジングの重要性
2月も下旬になり、年度末が目の前になりました。
年度変わりに向けて就業規則の改定や新入社員の受け入れ準備に取り組まれる今日この頃、
面接などの直接的な採用業務は、ピーク時と比べると割く時間が減ります。
したがって、今の時期、求職者に対するアプローチは求人票やWeb媒体による情報発信が主になります。
今回は、その採用における情報発信に関する記事です!
「採用を変える 組織が変わる」という本を参考にしました。
高岡幸男『採用を変える 組織が変わる』 エイチエス株式会社(2010)
欲しい人材を「言語化」するキャラクタライジング
採用において重要なのは、「素人が入社から短期間に戦略化するしくみを作る」という発想、そして、「入社して最短で戦力化するポテンシャルの高い人材の採用」を行うことです。
良い人材を獲得するためには、自社が欲しい人物像を明確にし、それに当てはまる人材にまで自社の情報が届くように求人媒体に情報を載せ、当てはまる人材に対して強烈なメッセージで訴えかける必要があります。
よって、採用において、「いい人いたら頼むね」というような明確な表現をしないまま、従業員や関係者に曖昧に声をかけたり、求人票や求人広告を作成したりしても、効果はなかなか出ません。
なぜなら、その程度の依頼では、誰の心に留めることがないからです。
大切なのは、「何歳で、今どういう職場で働いていて、どんな気持ちで働いている人なのか」という事です。このことを筆者は「キャラクタライジング」と呼んでいます。
人に伝えてほしい人物像が、どんな人なのかというイメージが、
ありありと湧くような表現でなければ求める人材とは出会えません。
「言語化」では、リアリティを追及する
27歳、大学を出て地元資本の伝統的な商社に入社、3年間真面目に営業をして社内の評価もそれなりに得ていた。年功序列のため上が詰まっており、将来的な出世に不安を覚え転職を決意。
現在は携帯電話の販売店で部下5人を抱える店長として活躍している。営業時代に比べると仕事は楽である上に給与もいい。しかし、それゆえに将来への漠然とした不安を抱えている。「変化するなら今」そう考えているが行動に移せないでいる。
著者が実際に行ったキャラクタライジングです。一見、具体的すぎるように感じるかもしれません。
しかし、このキャラクタライジングには、
「先の不安を払拭するためにガムシャラに働きたいと思う20代から30代前半までの若者」
を採用のターゲットにする、という意図があるのです。このような表現をすることにより、
くすぶり続けている成長意欲を存分に発揮できるフィールドが
新潟のリクルートにあります。
という事を、閲覧者に伝えました。
そして著者は、このメッセージで始まる求人広告により7人の優秀な営業を採用しました。
採用した7人は、この求人広告のキャラクタライジングをみて、
「くすぶる」という言葉に自らを投影しており、
「このままではまずい、でも何か行動したい!」という心理を醸成し、
「この会社でなら何かを始められるかもしれない、一度話だけでも聞いてみようか」というように行動に喚起できたのです。
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いかがでしたでしょうか?
ピーク時と比べて面接等が少ない採用閑散期だからこそ、
自社が求める「人物像」を明確に言語化し、求職者に対して発信してみませんか?
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