ストレスチェックの義務化、どう対処する?
企業はどんな準備をしておけばよいのでしょうか?
メンタルヘルス検診の義務化
ストレスチェック検診の義務化を盛り込んだ「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が、2014年6月19日に可決し、同25日に公布されています。
この法改正によって、今年12月から、過剰なストレスを抱える社員を早期に発見するための「ストレスチェック」が、社員50人以上の会社で義務化されます。
改正法の施行までに考えるべきこと
2015年12月1日の労働安全衛生改正法の施行まで、何をしておくべきなのでしょうか。
現段階では、実際に尺度となるストレスチェックの内容や、その後の措置については明確になっていませんが、今後厚生労働省から指針やガイドラインが発表されることを想定し、情報収集をしておくことが重要です。
そもそもこの法改正は、うつ病などの精神障害の労災認定件数が3年連続で急増しているにもかかわらず、取り組みが進んでいないことが主な背景となって起こっています。職場環境を改善し、人事労務面での体制を見直したうえで、精神的疾患を防止する取り組みを行うことが一番の目的です。
そのため、産業医との連携を強化し、ストレスチェックの有効活用、面接指導を依頼・委託する医師との連携を強めることが重要です。
社員のストレスは、必ずしも職場にだけ原因があるわけではありません。社員を取り巻く家庭環境や友人関係など、プライベートな事情が大きく影響することもあります。しかし、社員が1日のうちの多くを過ごす会社にも、原因がないわけではありません。その原因の特定をストレスチェックも含めた総合的な対策によって進めていき、社員の変化を察知し、大事に至る前に対処することが、企業には求められているのです。
「会社」が知らなければ意味がないチェックの結果
それでは、ストレスチェックを行ったとして、その結果はどう扱われるのでしょうか。
このチェック結果ですが、せっかく検査で社員自身が抱えてる負担を把握できたとしても、本人の同意がなければ結果が会社に開示されることはありません。
ストレスチェックを受けるのが義務となっているにも関わらず、その結果が会社に開示されないために、会社側からは社員のうち検査を受けた人を特定することはできません。
チェックの結果ストレスが高いとされても、本人が面接指導を望まなければ放置されてしまいます。
会社側には「面接を申し出たことで不利益な扱いをしてはならない」という定めがありますが、会社に知られることや異動の対象となることを恐れ、面接を申し出ることをためらう社員も少なくないと考えられます。
厚生労働省が公開している「5分でできる職場のストレスチェック」はこちらからどうぞ!
社員は自身のメンタル不調を会社に知ってもらった方がよいのでしょうか。
また、会社は従業員のメンタル不調をどこまで把握すべきなのでしょうか。
厚生労働省の検討会では、運用をめぐって議論が進んでいます。
ストレスチェックの結果と向き合い、そもそもの人事制度を見直す良い機会にしていくことが、今の社会には必要なことではないでしょうか。
maiko mashio
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