雇用保険の取得期間が短い場合、いつから育児休業給付の申請ができるか

2025年10月1日に入社して雇用保険に加入したスタッフから、2026/5/31が出産予定日として産休・育休の取得希望がありました。産前・産後休業は可能な限り取りたいとのことでした。

ただ、このスタッフには前職での雇用保険取得経歴がなく、雇用保険の取得期間が1年未満です。

このスタッフが育児休業給付を取得しようとすると、いつから育児休業給付の申請を行うことができますか?

回答

回答いたします。


育児休業給付の要件である、『賃金支払い基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上』は、育児休業開始日を基準にその前日から2年間を見て判定しますので、育児休業開始予定日から逆算して考える必要があります。
育児休業開始日をもとに1か月の区切りを取ることになるので、休業開始日によっては、給与の締めの期間とは違う区切りで「11日あるかどうか」を計算することになる点ご注意ください。

まず、2026/5/31出産予定なので、産前休暇の開始日は、2026/4/20となります。
産後休業の終了日は実際のご出産日によって変動しますが、仮に予定日の5/31にご出産された場合、産後休業の終了日は2026/7/26となります。

もし仮にこの翌日の2026/7/27から育児休業を開始した場合どうなるかを見てみましょう。
開始日の前日である2026/7/26から1か月ごとに遡って区切り、その期間ごとに対象になるかどうかを判断します。この方の場合であれば、「2026/6/27~2026/7/26」「2026/5/27~2026/6/26」のような期間になり、そのそれぞれで賃金支払基礎日数が11日以上あるかを判定することになります。そうすると、産休・育休の期間は要件を満たさないので、直近で要件を満たす可能性があるのは、「2026/3/27~2026/4/26」となります。なお、「2026/3/27~2026/4/26」の期間は、4/20以降が産休のため、産休開始前の勤務日数が11日以上ある必要があります。
同様に遡っていくと、『賃金支払い基礎日数が11日以上ある完全月』は「2025/10/27~2025/11/26」から「2026/3/27~2026/4/26」までの7か月しかないことになり、育児休業給付の要件を満たさないことになってしまいますので、産休終了直後にお休みをされる場合、育児休業給付の申請は行えなくなってしまいます

そのため、育児休業給付の対象となる育児休業を行う場合は、産休終了後に勤務を行い、『賃金支払い基礎日数が11日以上ある完全月』が12か月以上になった時点でそれ以降の期間について申請することになります。


もしこの方が産休終了後すぐに職場復帰し、継続して毎月11日以上の勤務日を確保できたという前提で考えますと、
例えば2027/1/1の育児休業開始であれば対象になります。
その場合の計算期間は、
産休後の期間が「2026/8/1~8/31」から「2026/12/1~2026/12/31」までの5か月
産休前の期間が「2025/10/1~10/31」から「2026/4/1~2026/4/30」の7か月
となるのでぎりぎり要件を満たすことになります。
(ただし、この場合産休開始が4/20なので、4/1~4/20の間に11日以上の勤務が必要になります。)


ただし、こちらはあくまで出産後も継続的に11日以上の勤務日を確保できた場合の話になります。
例えば、有給休暇を用いてお休みされた日も賃金は支払われるため「11日以上」の日数カウントの対象になりますので、
実務上はそれも含めたうえでスタッフやお子さんの体調に配慮しながら検討いただく必要がある点ご留意ください。
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公開日: 労務管理 育児介護休業

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