健康診断について

9月に入社した社員から雇入時健康診断の費用を負担して欲しいと言ってきました。会社が負担する必要はありますか。
また、弊社の定期健康診断は毎年4月に一斉に実施していますが、この社員も来年4月に受診させる必要はありますか。

回答

・雇入時健康診断の費用負担について
労働安全衛生規則第43条では入社時の健康診断について「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、健康診断を行わなければならない」と定められており、費用負担について会社側、労働者側のどちらに負担義務があるかは定められていませんが、事業者に健康診断の実施が義務付けられている以上、事業者が負担すべきものとされています。
よって今回のケースでは会社で負担するのが望ましいかと思います。

なお、第43条の但し書きで「医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない」となっており、入社された社員が前職などで入社前3か月以内に法律に定められた項目の健康診断を受診した場合は健康診断結果の提出させることで代用可能となります。

・定期健康診断の実施時期について
定期健康診断の実施については労働安全衛生規則第44条で「事業者は、常時使用する労働者に対し、一年以内ごとに一回、定期に、医師による健康診断を行わなければならない」となっており、健康診断を受診してから1年以内に1回実施することが規定されていますが、実施時期についての定めはありません。よって1年以内に実施することができれば、会社が任意に実施日を設定することができます。

今回のケースですと、翌年4月の定期健康診断において、今年9月入社の社員は入社から7か月しか経っていないので受診する必要はなく、雇入時健康診断から1年以内に実施すれば法律上問題ございません。
ただし、毎年4月に社員全員が一斉に行っている定期健康診断を1人だけ実施時期をずらすとなると、個別にご案内や日程調整を行わなければならず管理が煩雑になります。
また、個別の周知が漏れると未受診となってしまうリスクも生じます。
以上を踏まえると、中途入社者も翌年4月の定期健康診断に含める運用の方がよろしいかと思います。
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