定年による退職日はいつになるの?

弊社では65歳定年制を採用しております。ただし、今まで定年まで勤務した従業員がおらず、約半年後に初めて発生することになります。そこで具体的な「退職日」がいつになるか気になった次第です。

回答

法律上、ある年齢に達する日とは「誕生日の前日」となります。こちらは「民法」143条(暦における期間の計算)及び「年齢計算ニ関スル法律」に規定があります。すなわち、生まれた日(初日)を期間に含めて計算することになります。そのため、例えば➀40歳から支払う介護保険料は40歳の誕生日の前日が属する月から発生する、➁お子さまが1歳になるまで育児休業をする場合はお子さまの誕生日の前日まで休業(誕生日が復帰日)といったように「誕生日の前日」という考え方が大変重要になってきます。

他方、会社の定年制度における具体的な「退職日」については、65歳定年といっても一律に定まりません。まずは御社の「就業規則」を確認する必要があります。例えば、65歳になる従業員の誕生日が4月1日の場合で、規定に応じて例えば下記のようになります。

・「65歳に達した日」であれば、退職日は「3月31日」
・「65歳の誕生日」であれば、退職日は「4月1日」
・「65歳に達した日の翌日」であれば、退職日は「4月1日」
・「65歳に達した日が属する月の末日」であれば、退職日は「3月31日」
・「65歳の誕生日が属する月の末日」であれば、退職日「4月30日」

 なお、例えば「65歳に達した日」という規定だが、分かりやすく誕生日である「4月1日」を退職日とする運用にしたいといった議論が御社にあった場合に、それが強行法規たる法律に違反せず、かつ従業員に有利に働き、文言的に余程の齟齬がなかったとしても、退職に関する重要な規定になるので、改定をされるべきかと思います。また、御社では今まで定年退職の事例がないとのことなので、今後どういう制度・運用が持続可能で社風に合っているかという大局的な観点からも、ぜひとも事前に見直しされるとよいと思われます。
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