あなたの在宅勤務は大丈夫? Web会議をする上で注意すべきポイント
中国湖北省武漢市でのコロナウイルス(COVID-19)が報じられてからもうすぐ4か月が経とうとしています。
未だその影響は世界中で猛威を振るっており、国を始め、様々な企業や組織が影響を受けています。
官民問わず様々な感染対策が行われていますが、中でも在宅出勤・テレワークといった
物理的な移動を伴わない勤務体系が注目を集めています。
在宅勤務では、社内での連絡を取る際は、メールやチャット等の他に
インターネットを通じてお互いの映像・音声をやり取りするWeb会議が行われることがあります。
相手の顔を見て会話ができるため、情報量の多いコミュニケーションができることが利点ですが、
その一方で様々なトラブルの原因になってしまうことも…。
この記事では、在宅勤務でWeb会議を行う上で、注意しなければならない点をご紹介していきます。
1.Web会議を用いる目的を決める
まず第一に考えるべきことは、Web会議を行う目的を明確にすることです。
Web会議には、様々なメリットがあります。
・ダイレクトコミュニケーションに近いコミュニケーションができ、情報共有が円滑になる
・基本的にPCがあれば使用できるため、TV会議に比べて導入しやすい
・物理的な移動を伴わないため、時間を有効活用できる
・社内のみならず、社外の相手とも行うことができる etc…
しかし、複数の人間が時間を使って行うものである以上、目的を意識して導入しなければ、時間の無駄になりかねません。
Web会議をすることで、何が得られるのか、何をするために行うのか、それをはっきりさせてから使うことが大事です。
例:
「ウイルス感染のリスクを防ぎつつ、対面に近いコミュニケーションをしたい」
「人の移動というコストをかけずに遠隔地同士で詳細な情報交換を行いたい」
「在宅ワークを推進し、多様な働き方ができる環境づくりの一環」
2.Web会議を行うための機器・ソフトの使い方
Web会議を行う上で準備すべきものはあまり多くありません。
最低限、インターネットに繋がったPCが別々に2台あれば、それだけでWeb会議を行うことができます。
準備が容易な点もまたWeb会議の利点の一つですが、しかし一方で、
実際にWeb会議を行ってみようとすると、様々なトラブルが出てくることがあります。
Web会議を実施する際は、事前に実際に試してみて、問題なく会議ができるように準備する必要があります。
ここでは、その実際にWeb会議を準備する上でよくある疑問を見ていきましょう。
・「Web会議をするにはどうしたらいいの?」
⇒Web会議は、Web会議を行うためのアプリケーションやソフトウェアを使って行います。
Zoom、Slack、Skype、GoogleHungout(Google Meet)などなど、多種多様なソフトが存在します。
利用する場合にまず注意すべきことは、そのソフトウェアを事前にPCに入れておく必要があるかどうかです。Skypeなど、事前にインストールしておく必要があるソフトを使用する場合は、あらかじめ準備しておく必要があります。
・「どうすれば参加できるの?」
⇒ソフトウェアによって異なりますが、
会議の主催者がメール等でアクセス方法やURL、パスワード等を連絡し、
参加者側がそこにアクセスする、という形式のものが多いです。
まず事前に、どういう準備が必要か主催者に確認しましょう。
・「音が聞こえない」
いくつかの原因が考えられます。
①PC自体の音量が0になっている
⇒音量を上げる
②スピーカーやヘッドセットなど、「どこから音を出すか」の設定が誤っている
⇒ソフトウェア側で設定を正しい機器に変更する
③スピーカーやヘッドセットなどがちゃんとPCに刺さっていない
⇒奥まできちんと刺さっているか確認する
④スピーカーやヘッドセットなどが故障している
⇒故障した機器を取り換える
・「映像が見られない」
これもいくつかの原因が考えられます。
①映像OFFの状態になっている
⇒ソフトウェア側で映像が出るよう設定を変更する
②カメラ等、「どこから映像を受信するか」の設定が誤っている。
⇒内蔵カメラや外付けのWebカメラ等、ソフトウェア側で設定を変更する
③カメラのレンズにカバーが掛かっている
⇒カバーを外す
④PC内の他のアプリケーションによって、使いたいカメラが使用中になっている
⇒カメラを使用している他のアプリケーションを停止する
⑤PCが接続したカメラを認識していない
⇒コードを外して繋ぎ直す、PCを再起動する等を行うと認識される場合がある
3.家庭内でのトラブル回避
「在宅勤務」というもの自体は注目を浴びており、知名度が上がってきていますが、
まだまだ理解されていないケースもしばしばみられます。
「会社に出勤する」=「仕事」
「家にいる」=「休み」
というような認識を持っている人も少なくありません。
会社勤めの経験のない主婦の方や子供などから「家にいるんだからお休みなんだ」と家事などを要求されたり、会社の同僚とWeb会議を行っている際に部屋に家族が入ってくるなど、家族が原因でトラブルになるケースもしばしばあります。在宅勤務は休みではなく、文字通り「在宅」の「勤務」であり、場所が異なるだけで、会社で仕事をしているのと同じ義務を負っています。在宅勤務を始める際は、家族に「仕事中であって、決して休みではない」旨を説明し、理解を得ておくことでトラブルを回避する必要があるでしょう。
その際に一番ポイントになるのは、「時間の区切り」です。
一日のうち、いつまでが「仕事の時間」でいつからが「家族との時間」なのか、
あらかじめスケジュールを決めておくことで、自分も、家族も、オンオフの切り替えがしやすくなります。
勿論、仕事の状況によってはあらかじめ決めた時間から延長される場合も考えられますので、そういうおそれがある場合には、それも含めて事前に話しておき、実際にそうなった場合はできるだけ早くそのことを伝えるとよいでしょう。
職場だけではなく、家族との関係においても、報告・連絡・相談は重要です。
4.情報管理・コンプライアンス
職場ではない在宅で勤務を行う上で、必ず考慮しなければならないのが、情報管理・コンプライアンスの問題です。
特に、実際の声や映像を発して行うWeb会議では、会社内で行う会議と比べて、情報の管理がそれぞれの個人の意識や家の環境に依存する面が大きく、Web会議を行う上で、思いもよらないことが問題になるケースもあります。ここでは、実際に発生しているトラブルの事例を紹介します。
①音声のオンオフに関するトラブル
Web会議は、簡単に自分の発言が会議参加者に聞こえる状態と聞こえない状態を切り替えることができます。そのため、聞こえてると思ったら聞こえていなかった、または聞こえていないと思ったら聞こえていた、という状況が発生するおそれがあります。音声をオフにしていると思い込んで、他の会議参加者の悪口を言ったり、プライベートな内容を家族と話したりしてしまったために、大きな問題になってしまう場合があります。
②Web会議内容の漏洩等、情報管理の問題
Web会議を行うソフトウェアの中には、会議内容を動画として記録できる機能を持っているものもあります。録画機能は、後から会議の内容を聞き直して理解の促進を助ける便利な機能である反面、会議の情報を簡単に記録できるため、悪意を持って使用すれば、容易に機密情報を流出させることもできます。
最近では、ZoomというWeb会議ソフトが、利用者の急増に伴い悪意あるアクセスへの対策として大幅なアップデートを実施し、不正アクセスへの対策を実施しています。Zoomは、Web会議を行う際に部屋の番号を10桁の数字で設定するのですが、Web会議に入室するためのURLにその数字が含まれていたため、数字の部分を変更すれば、全く関わりのない会議にアクセスすることが可能な状態になっていました。その機能を悪用し、全く関わりのない会議に参加し、不適切な音声や画像を流して会議を妨害する、「Zoombombing」と呼ばれる行為が発生し、大規模な問題になりました。Zoomビデオコミュニケーションズ社は、会議に参加の際にパスワードを必要とする機能、及び会議への入室に主催者の許可を必要とする機能を最初から有効な状態にすることで、「Zoombombing」の発生を防ぎました。
オンラインで情報のやりとりを行う以上、セキュリティの問題は常に意識しておく必要があります。
【参考URL】
Zoomビデオコミュニケーションズ公式アップデート情報(4/4)
https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/360041408732-April-2020-Setting-updates-for-free-accounts-and-single-Pro-users
YahooNews「Zoom、パスワード強化と「待機室」追加 “Zoombombing”対策で」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000010-zdn_n-sci
5.まとめ
Web会議は、距離を問わず、容易にリアルタイムに情報のやり取りを行える、非常に便利なサービスです。
反面、使い方を誤ったり、認識の共有不足から、様々なトラブルに繋がるおそれもあります。
Web会議を行う際は、目的を明確にし、使用する機器・ソフトウェアをよく理解した上で使用し、
トラブルなく有効活用できるよう心がけてみてください。
参考記事
川合
最新記事 by 川合 (全て見る)
公開日: