通勤時の交通事故における保険の扱い

通勤時に交通事故を起こした際の対応についてお教えください。

保険会社より通勤災害申請を求められている者がいます。

 

以下の状況から、今後同様のケースが起こった際、運用を統一したいこともあり、改めてどうすべきかご教示をお願いします。
1)本来、自賠責保険は被害者保護の優先であることから、保険会社の見解が妥当でしょうか?
2)労災申請となると、次年度のメリット料率にも影響が出ますか?

 

事故の状況としては、社員自身が前の車に追突してしまったものです。

自賠責保険の適用も選択肢の一つではないかと考えております。

回答

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)で補填されるのは、交通事故などで他人を死亡させたり、ケガをさせたりした「人身事故」の場合です。相手への損害賠償に対して保険金が支払われますので、
・運転車自身のケガ
・自動車の修理代
・単独の人身事故(例:電柱に衝突してケガをしたなど)
では保険金が支払われません。
御社の従業員がわき見運転により追突(過失割合10割)し、自身も怪我をされたという状況であるならば、ご自身の治療費については自賠責保険では保証がされませんので、保険会社の見解通り、通勤災害の申請となります。

なお、通勤災害は事業主の責任はありませんので、メリット点数に影響はございません。

相手にも過失がある場合は、自賠責保険を使うことも可能ではありますが、自賠責保険では、自分の過失割合が7割を超える者に対しては、損害補償が5割~2割の範囲で減額されてしまいます。しかし、労災保険には過失割合による減額はありませんので、やはり労災保険を使った方が良いこととなります。

なお、相手の急ブレーキであっても、追突は、故意の急ブレーキでなければ、十分な車間距離を取っていなかった追突した側が過失割合10割とされるのが通常のようです。
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maiko mashio

外資系企業の常駐と千人規模の社会保険手続きを担当。

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