賃金計算期間途中入社の人の定時決定の対象賃金とは?

途中入社の方の定時決定の対象月について質問です。

25日締めの翌5日支払の場合、4月1日入社の正社員について6月5日支給分のみで定時決定が決まることの法的な根拠はあるのでしょうか。

回答

定時決定とは、社会保険料額を決めるためのベースである標準報酬月額を年に一度決め直す作業で、毎年、4・5・6月の給料の平均額を基礎として9月以降の標準報酬月額を決定し、「算定基礎届」により届け出を行います。
健康保険法では、被保険者の資格を取得した時に「標準報酬月額」が決定されますが、被保険者が事業所から受ける報酬はその後の昇給や降格等により変動します。
そこで、変動後の報酬に対応した標準報酬月額とするため、こうした定時決定が行われます。
この定時決定においては、原則として、翌年の定時決定迄の標準報酬月額を決定するため、その算定においては、特異な事情を除いて平均的な給与情報が必要となります。
さて、今回お問い合わせの件ですが、通常勤務者であれば、標準報酬月額を算定するための支払基礎日数が30日であるところ、4月1日入社の対象者におかれましては、中途入社であるため支払基礎日数は25日であり、算定対象に該当する要件である、17日以上の支払基礎日数があるから算定対象となるのではないかと考えられます。
しかしながら、社会保険の算定においては日割りの概念がなく、一方で今回4月入社の方におかれましては、中途入社に該当するので算定基礎額を算出する際には日割り計算対応とならざるをえなくなり、結果として4月給与は算定の除外扱いとなります。
お問い合わせありました、この取り扱いについての具体的な法的根拠はございませんが、社会保険の算定における概念上からきた措置と考えられます。
尚、6月分につきましては6月25日締め7月5日払いとなりますので、算定の基準日である7月1日以降の支払いとなるため、算定の基礎から除かれることとなります。
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