人事として年末調整書類のチェックはどこまで行う必要があるのか?

年末調整の進め方は本来、社員本人からの申告に基づいて行うものであるとされています。
しかし、実際には書類の不備や計算の誤り等、人事担当者が書き直しを行うこともあるかと思います。
そのため、年末調整対担当者としてはやらなければならないことは何か、またやらなくてよいことは何かを教えていただきたいです。

回答

年末調整はご認識の通り、従業員本人の自己申告によって行うべきものですが、誤った申告もありますのでそのまま全て処理してしまっては問題となります。

担当者としてやるべきことは、記載不備や計算の誤りがあった場合には本人に書類を戻し、正しく書き直して再提出してもらうことです。
手間はかかるかもしれませんが、記入見本をつけて配布するなどし、そもそも「わからなくて書けない」という従業員を減らす、それでも誤って記載してしまっている場合は記載方法を指導し書き直させることです。
きちんと申告しなければ自分自身の不利益につながるということを教えていくことが従業員のみなさんのためにもなりますし、それで全員正しく申告を行えるようになれば結果的には担当部署の負荷の軽減にもつながります。

してはいけないことは、当然ながら、申告書の内容を勝手に判断して記載を行うことです。
不明な点は本人に確認して対応されるのであれば、例え代わりに記載をしたとしてもその内容が正しいわけですので税額が違うという事態は起こらず、大きな問題にはならないものと思われます。
修正した場合には、履歴・エビデンスなどを残されるとよいかと思います。

なお、本人が申告していない事項に関してまで対応する義務はありません。
例えば「寡婦であるという申告がないが、該当するのではないか?」と気づいた場合、本人が申告をしていないのだからそのまま処理をしても問題はありません。
しかし、本人からの申告がないとはいえ、控除金額に大きく関わってくることですので、本人にその旨を伝えて寡婦へ変更して申告をしてあげることが良いかと存じます。

いずれにせよ、会社としてどこまでしてあげるか、という判断になるかと思いますのでご検討ください。
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公開日: 税務・税法 賃金

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