採用後、数日で来なくなった者への対応とは?

採用後、数日で出勤しなくなる方が多くみられるようになり、対応について基準を設けたいと考えています。

退職願等を出してもらえる場合にはよいのですが、音信不通になる者もいるため、そういった者への賃金の精算をどこまで対応しなければならないのでしょうか?

できれば就業規則にてそのような基準を設けたいと考えています。

回答

今回のケースでは以下3つのポイントが重要になります。
1.音信不通になった際の対処
2.解雇対応
3.出勤分の賃金支払い


1.音信不通となった際の対応について
企業側には従業員に対して「安全配慮義務」があり、トラブルに巻き込まれた可能性等も考え、無断欠勤の本人に対して電話、メール、それでも連絡がつかない場合は内容証明郵送、訪問など、会社側より連絡を取る義務があります。
企業から接触したという事実を、証拠として残さなければ、トラブルになった際に解雇が認められないケースもあります。

2.解雇対応について
就業規則の定めに「無断欠勤開始日より●●日が過ぎたとき退職とする」などの規程があれば、その日に退職となります。
定めがなくとも、入社14日以内で試用期間であれば、解雇通知は可能ですが、安易に退職手続きとするのでなく、会社として何故欠勤をしているのか理由を把握する努力を行いましょう。
そうでなければトラブルのリスクが残ります。できるだけ連絡をとり、それでも難しければ、内容証明郵送や公示送達にて解雇通知書を送付するのが望ましいでしょう。

3.出勤分の賃金支払い
振込口座の情報が未収集の場合、振り込みが不可能ですので、請求権がある3年間は請求されたら支払うとして準備をしておきましょう。
このような事態を避けるためにも、入社前に情報をもらっておくことが重要です。

いずれにしても、入社前に万が一のことを想定し、連絡先、緊急連絡先等、本人以外のご家族にも連絡がとれるようにしておくことをお勧めいたします。
また、実際音信不通になった際は、いつどのような連絡を行ったかの記録を残しておくことも大切ですのでご留意ください。
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公開日: 就業規則 採用・雇用

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