退職後に在籍期間中の傷病手当金の申請は出来ますか?

1年ほど前に1ヶ月ほど傷病により有給を取得し、そのまま出社することなく退職した従業員より、その後も傷病により働ける状態ではないため、有給で休んでいた期間から傷病手当金の申請をしたい、と連絡がありました。有給での休みだったので給与が支給されていますが、傷病手当金の申請はできるのでしょうか?

回答

お問い合わせのケースでは申請できる可能性があります。

傷病手当金の請求権の時効は「働けなかった日ごとに、その翌日から2年」ですので、約1年前の休業であれば、現時点からの申請自体は期限内です。
ただし、実際に支給を受けられるかどうかは、下記の要件を満たしているかによります。

1.支給対象となる期間
在職中に有給休暇を取得し、給与が全額支払われていた期間については、給与との調整により傷病手当金は支給されません。したがって本件で実際に支給対象となり得るのは、主に退職日の翌日以降の期間(資格喪失後の継続給付)となります。

2. 退職後の期間について支給を受けるための要件
次のすべてを満たす必要があります。

(1)退職日までに、健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある
   なお任意継続・国民健康保険の期間は含みません

(2)退職日前日までに連続3日以上休んだ期間(待期期間)が完成し、かつ退職日当日も休んでいる
   退職日を含めて連続4日以上休んでいることが必要です。
   なおこの休みには有給休暇・土日等の公休日も含まれます。
   ※退職日に、たとえ短時間でも出勤していた場合は、退職後の期間は支給対象外となります。

(3)在職中と同一の傷病により、退職後も引き続き医師が労務不能と認める状態が継続していた
   途中で一度でも就労可能な状態となった場合、それ以降の期間は支給されません。
   そのため退職後にハローワークで失業給付(基本手当)を受給された期間がある場合、その期間
   は「就労可能」であったことが前提となるため、傷病手当金の対象にはなりません。

なお申請にあたっては、退職後の期間だけでなく、待期期間の初日(休み始めた日)からの申請書の作成が必要です。在職中の期間については事業主証明(勤務状況・給与支払状況の記載)が必要となりますので、その際は会社で出勤簿等に基づきご証明いただくことになります。また、長期間さかのぼっての申請となるため、保険者から遅延理由書の提出や医療機関への照会が行われ、審査に通常より時間を要する可能性があります。
時効は日ごとに進行しており、申請が遅れるほど支給対象日が失われていきますので、要件を満たす見込みがある場合は、お早めにご準備いただくことをお勧めいたします。
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