自宅から現場に直行する途中で転んで怪我をした場合は通勤災害になるか

弊社には毎週高頻度で特定の利用者さんの家に訪問して業務を行うスタッフがいて、その際は利用者さんの家の場所によっては直行直帰を行うことがあります。
あるスタッフが自宅から利用者さんの家に向かう途中、階段でよろけて転んで足を怪我しました。
この場合は通勤災害となるのでしょうか。

回答

回答いたします。

直行の場合に通勤災害に該当するかどうかは、①その利用者さんの家が「就業の場所」といえるかどうかと、②その移動が業務中ではないといえるかどうか、が主にポイントといえるでしょう。

① 「就業の場所」となるかどうか
例えば営業のような外勤業務の場合は、過去の判例で、『外勤業務に従事する労働者で、特定区域を担当し、区域内にある数カ所の用務先を受け持って自宅との間を往復している場合には、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所であり、最後の用務先が、業務終了の場所と認められる。』(平18.3.31 基発0331042)とされています。今回の場合は、特定の利用者さんの自宅に訪問する、ということになりますので、その利用者さんのお宅が就業場所であり、そこに行くまでの道のりは通勤の途中と考えられます。

② 「業務中」かどうか
いっぽう、似たようなケースであっても、例えば普段は基本本社オフィスが出社場所であり、臨時的な対応として会社からの指示で直行した場合は、その移動は通勤ではなく「会社の指揮命令下にある」とされ、通勤ではなく業務中と判断される場合があります。そうなると、もしその移動の途中で転んで怪我をしたのであれば、それは通勤災害ではなく、労働災害として判定される可能性が高いです。
また、同様に決まった利用者さん宅へ直行する場合であっても、例えばそのスタッフが移動前に自分の家からその業務への報告や上司との事前打ち合わせリモートで行ったうえで利用者さん宅に向かう、というような場合は、「既に業務が始まっており、会社の指揮命令下にある」とみなされて、通勤災害ではなく労働災害
と認められる可能性があります。


なお、最終的に労働災害/通勤災害は申請を受けた労働基準監督署が判断して決定するものです。似たような事例であっても、状況によっては通勤災害と判断される場合、されない場合がありますので、予め労働基準監督署に詳しい状況を伝えて、労働災害/通勤災害のいずれに判定されるかを確認するとよいでしょう。
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公開日: 労災・安全衛生

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