1か月単位の変形労働時間制の届出って?!

1か月単位の変形労働時間制について、就業規則に記載して労基署に届出していれば、別途労使協定を締結する必要はないですか?また、協定届の届出は必要ですか?

回答

1.制度の概要
 1か月以内の一定期間を平均して週40時間(特例事業場は44時間)以内となるように設定すれば、特定の日に8時間超や特定週に40時間超で働かせることができる制度です。導入には、対象期間・起算日・対象労働者・日ごとの所定労働時間などを事前に定める必要があります。

2.導入方法
■就業規則で定める方式
 就業規則に必要事項を明記すれば導入可能です。常時10人以上の事業場は就業規則の作成・変更の届出が必要です。就業規則方式を選んだ場合、別途労使協定を締結する必須要件はありません。ただし、記載が不十分だと制度自体が無効になる場合があります。

■ 労使協定で定める方式
 使用者と労働者代表で協定を締結し、対象労働者、起算日、期間、日・週ごとの所定労働時間、協定有効期間などを定めます。協定方式にした場合は、所轄の労働基準監督署へ「協定届」を提出する必要があります。

3.ご質問への結論
 就業規則で制度を定め、必要な届出(就業規則届)を行っていれば、労使協定を別途締結する義務はありません。
 ただし、労使協定方式を採った場合は必ず協定届が必要です。
 就業規則方式の場合は協定届は不要ですが、常時10人以上の事業場では就業規則の届出が必要です。

4.運用上の注意
 就業規則または協定に、対象者、変形期間、日別・週別所定労働時間を明確に記載すること。
 労働者への周知義務(掲示・配布など)が必要。
 実勤務が平均週40時間(特例44時間)を超えないか定期的に確認すること。違法運用は残業代請求や監督署指摘のリスクがあります。
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公開日: 労使協定 就業規則

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