就業規則の意見書作成時の注意点はどんなことがあるか

弊社でこの度、新しい手当の追加に伴う就業規則改定があり、
その際従業員に意見書を依頼することになりました。
意見書を記入者に依頼するにあたり、注意点があれば教えてください。

回答

回答いたします。
就業規則変更に伴う意見書については労働基準法に定めがあります。


※労働基準法90条

(作成の手続)

第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。

② 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。


まず、過半数労働組合 があればその代表者が意見書の記入者になりますが、
それがない場合は従業員代表者を選出する必要があります。
選出方法については経営者が指定したりするのではなく、
投票や立候補・持ち回り制等民主的な方法である必要があります。
この際、事業場が複数ある場合は、それぞれの事業所から労働者代表を選出する必要があります。
なお、あくまで「労働者の代表」という立場である必要があるため、
管理監督者は意見書の記入者になることができません。

また、当たり前の話ではありますが、意見を頂く就業規則の変更内容について記入者が把握したうえで記入いただく必要があります。
この際、意見の内容については特段定めがあるわけではありません。
従業員代表として何もない場合は、「特にありません」という内容でも問題ありません。
一方、もし就業規則の内容に対する反対意見が仮にあった場合でも、
そのまま就業規則を提出すること自体には特に問題はありません。
ただし、就業規則の変更の基となった内容については、社内の合意を得たうえで変更することが望ましいことはいうまでもありません。

なお、就業規則の意見書について、万一反対意見等により意見書を書いてもらうことができなかった場合でも、
就業規則に対して意見を求めて聞いたことがわかる客観的な証明が可能な場合には、就業規則の届出が受理される場合があります。
(昭和23年5月11日付 基発735号)

上記の点を考慮したうえで、選出された労働者代表に適切に記入いただくようにしてください。
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公開日: 就業規則 採用・雇用

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