固定残業代はどこまで細かく書く必要があるか

弊社には固定残業代制度があり、労働条件通知書には合計金額と、制度がある旨だけ記載しています。
他の会社の通知書を見る機会があり、そこには金額内訳も書いていました。
従業員に通知する書類にはどこまで書く必要があるのでしょうか。

回答

回答いたします。
労働条件通知書に記載しなければならない事項については、労働基準法施行規則に定めがあり、賃金に関する項目は、「賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項」について記載の必要があるとされています。

固定残業代は、基本給とは別個に金額を明示して表記されている必要があります。そのため、例えば「基本給400,000円(固定残業代を含む)」というような表記ではなく、「基本給330,000円、固定残業代70,000円」のように、基本給とは別個に設定された金額であることと、その項目が固定残業代であることが明確に分かるように記載する必要があります。
この際、例えば固定残業代70,000円(30時間相当)のような相当する時間まで表記することは義務ではありませんが、労働者が自分の残業代をある程度イメージできるような記載があったほうが、不要なトラブルを回避できるため望ましいです。御社の場合は、内訳の記載がないとのことでしたので、もし監査等があった場合に問題になる可能性があるため、内訳額を含んだ表記に修正する必要があります。
固定残業代は労使間でトラブルになりやすい項目であり、労働条件通知書以外でも、例えば募集時の記載事項と給与の実態が違っていた、というケースもあります。労働条件通知書の表記もできる限り労働者に分かりやすい表記にして、無用なトラブルの発生する恐れを減らすのがよいかと存じます。
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公開日: 時間外手当 賃金

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