退職前に自身の都合で海外に移住する場合の年末調整はどうすればいい?

年末に退職予定の者がいるのですが、退職日前1か月は有給休暇を使用する予定です。その有給休暇取得中に日本を出国し、海外で生活を始める予定とのことです。この場合、在籍自体は年末までとなる為年末調整の対象としてよいでしょうか?

回答

ご質問の件につきましては下記要件によって取り扱い方が異なって参ります。
1.ご本人様が住民票の除票をされるのか
2.12月給与支給日と、出国される日(除票される日)のどちらが早いか

1.除票されるのかどうかについて
海外に出国するとしても除票されるかどうかは別のお話になります。海外渡航期間が1年以上にわたる予定であったり、1年以内だとしてもご自身の判断で除票される場合はその対象となります。除票されない場合については、引き続き居住者として扱われる為年末調整の対象として頂いて問題ございません。

2.12月給与支給日と、出国される日(除票される日)のどちらが早いかについて
例えば御社において12月の有給取得の分の給与が12月25日に支給されるとした場合、12月24日までに除票されるか、12月25日以降に除票されるかで取り扱いが変わります。
a:12月18日に除票される場合、支給日よりも前に非居住者となっている為、12月25日支給の給与については税率20.42%をかけた源泉徴収を行う必要がございます。この場合年末調整の対象外となる為、1月~11月までの源泉徴収票と12月分の源泉徴収票とを分け、ご本人様が確定申告をして頂く事になります。
b:12月28日に除票される場合、支給日よりも後に非居住者となっている為、12月25日支給の給与については通常通り給与計算をして支給し、年末調整も行う事が出来ます。別途確定申告をしなければならない理由がある場合を除き、年末調整にて完了として頂いて構いません。
なお、12月の有給取得の分の給与が翌年1月の支給になる、という事であれば少なくとも12月分までの給与、年末調整については上記の通りの考え方で良いですが1月給与支給時には非居住者となっているかと存じますので、その場合も税率20.42%をかけた源泉徴収を行うという処理でご対応頂ければと存じます。

年末まで在籍はされていたとしても、場合によっては年末調整対象外となる場合がございます。ご本人様にもその旨ご説明差し上げて頂ければ幸いでございます。
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公開日: 税務・税法

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