なぜ随時改定の対象にならないでしょうか

8月に70歳になった社員に昇給があり、12月の随時改定の対象になりました。健康保険と厚生年金保険の「被保険者報酬月額変更届」をそれぞれ提出しました。健康保険は「被保険者標準報酬改定通知書」が発行されましたが、厚生年金保険の方は非該当のため返戻されました。なぜ厚生年金保険の方は随時改定の対象にならないでしょうか。

回答

70歳以上の方に関して、70歳の誕生日の前日に厚生年金保険の資格を喪失し、70歳以上被用者となります。厚生年金保険料は徴収されませんが、一般の被保険者と同じように定時決定及び随時改定を行います。定時決定の際に9月以降適用される標準報酬月額が決まります。8月に70歳以上被用者になった場合、その時点の標準報酬月額が70歳以上被用者の標準報酬月額となり、定時決定の結果より優先されます。したがって、70歳になった最初の年度は健康保険と厚生年金保険の標準報酬月額が異なる可能性があります。

例えば、
① 7月に提出した算定基礎届にて決定された標準報酬月額
健康保険200千円、厚生年金保険200千円
② 8月に70歳に到達し、厚生年金保険の70歳以上被用者になった時の標準報酬月額
健康保険220千円、厚生年金保険220千円
③ 9月に健康保険だけ①が適用されます。
健康保険200千円、厚生年金保険220千円

9月以降標準報酬月額が240千円になった場合、健康保険のみが2等級以上の差が生じているため、随時改定の対象になります。厚生年金保険の方は改定されません。
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